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第11話

「 俺も....中学の頃に、とある男子生徒に恋したんだ」 隼一の視線を感じながら、口火を切った。 「 ....その前に。隼一が現われて...俺への虐めは無くなった。当たり前の中学生活を送れるようになったのは隼一のお陰だから...素直に感謝してる」 「 それは、単に俺がああいうの許せなかっただけだから....」 「 大抵は見て見ぬふりするよ、とばっちり受けたくないから...隼一は違った、それなのに、俺、隼一をずっと避けてきた」 隼一が苦笑した。 「 避けられても仕方ない。気づいてたんだろ?気持ち悪がられるだろうな、て、思ってたし」 「 違う!」 慌てて、隼一の話しを遮ると、隼一が驚いた顔になった。 「 隼一に彼女が出来たから...だから、避けてた。....嫉妬した自分を見られるんじゃないか、て怖かった」 隼一が瞬きを繰り返す。 「 ....俺、隼一が好きだったんだ。気持ちを知られるのが怖かった」 驚愕している隼一に泣きそうになりながら微笑んだ。 「 俺....俺も....灯真が好きだった...。俺が転校して来るまで、ずっと虐めで充分、灯真は一人で苦しんでたのに、俺の気持ちでまた苦しませるかな、とか...正直、友情すら壊れてしまうんじゃないか、て....怖くて」 初めて、涙を浮かべる隼一を見て...思わず、隼一を抱き締めた。 「 ....大きくなったな、灯真。小柄で細かったのに...身長もあんま変わらな....」 隼一の口を塞いだ。キスをした。 瞳が開いたままの隼一を見つめたままの口付け。すぐに唇を離した。 「 ....ごめん。嫌だったよね」 「 ううん....びっくりしただけ...」 「 ....もう、寝ないで、他の男と」 「 ....もう、終わらせた筈だったんだけど...あいつが諦め、つかなかったらしくて...お前と再会して、セフレ解消したのに....」 隼一のセリフに胸が鷲掴みにされそうになった。 「 ....俺と再会して、別れてくれてたの、隼一」 「 ....うん」 告られた、セフレの筈だった明文との関係を、俺は終わらせていない....。 「 ....灯真?」 「 ....実は、明文とは単なる友人とかじゃない、セフレ、なんだ....」 間近にある隼一の顔がまた驚き、そして、伏せられた。 「 そう...だったのか...灯真はノンケだし、諦めた方がいい、てアドバイス受けてたけど」 「 あいつ....」 隼一の相談に、明文は嘘をついたのか。 隼一が俺を好きだったと知って、一度、唆した告白を止めさせようとした、て訳か...。

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