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第18話

シンクに並び、俺が皿洗い、隼一は布巾で拭いていく。 「こうして並ぶとさ」 「ん?」 隣の隼一を見ると、目が合った。 「身長、ほぼ同じになったな。目線もあんま変わらないし。今、身長いくつ?」 「だな。俺、173。隼一は?」 「うっそ、負けた!俺、171」 「たった2センチじゃん」 「2センチがデカいんだって。もう伸びないのかなあ...」 皿を拭きながら、隼一が正面を向き、溜息。 なんだか、可愛い。 「もう、18だよ?伸びないんじゃない?縮みはするだろうけど」 「縮む!?」 途端、突然、隼一はつま先立ちした。 「何やってんの?」 「や、縮まないように」 ぷ、と吹いた。 「縮まないの?それやると」 「んにゃ、わかんねー。けど、気分的にさ」 皿洗いが終わり... 「あー...風呂溜めようか?シャワー?」 テーブルの前で寛いでいた隼一が、え?といった顔で俺を振り返る。 「あ、ごめん。勝手に決めて...もう帰る...?」 「んー...泊まってっていい?」 ごく、と喉を鳴らしてしまった。 「じゃ、じゃあ、風呂、溜めて来るわ」 「お、おう」 あー、ヤバい、緊張する...。 誘った感じなのは俺の方なのに。 湯船にお湯を入れ、リビングに戻ると、隼一は膝を抱え、テレビを見ていた。 「なんか飲む?隼一。さっき、スーパーで麦茶、買ってきたから、作っておいたけど」 隼一がケラケラと笑った。 「めっちゃ、麦茶に拘るね、なんで?」 「あー...隼一のアパートで飲んだ麦茶が美味かったから」 ぱちぱちと瞬きを繰り返し、す、と隼一は視線を俺から逸らす。 「そ、そうなの?」 二人分の麦茶を注ぎ、一つを隼一に手渡した。 「サンキュ」 隣に座り、俺も麦茶を啜る。 「あ」 「なに?」 「隼一んちで飲んだ麦茶のが美味いわ」 「何それ」 隼一が笑う。 「注ぐ奴が違うからかな」 無意識にそう呟いてしまい、しまった、と隣の隼一を見ると、コップを持ったまま、真っ赤だった。 「あの、さ、隼一...」 「うん....」 「明文と別れたら...付き合って、て、言ったじゃん」 「うん....」 「やっぱ無しにしよ?」 「なんで!?」 冗談かつ、照れ隠しだったのだが、隼一が慌てふためいた様子で俺を向き、にや、と笑うと、 「....やりやがったな」 隼一はコップをテーブルに置くと、俺をくすぐり始めた。 「ヤバ...!くすぐったい、て!隼一!」 思わず、背後に倒れ、隼一にのしかかられる体制になった。 「ご、ごめん」 退こうとする、隼一の首元に腕を回す。 「隼一、好きだ」 「....俺も...て、わかってるだろ」 真っ赤っかな隼一、可愛すぎる。だけど。 「ちゃんと言葉にしなきゃ、わからない」 隼一が息を飲むのが伝わった。 「....好きだよ、灯真」 キスまで、数分くらいかな、暫く、見つめ合った。

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