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掃除をしましょう 8

姿がすでに見失った相手の後を追うことなんて無意味だと判断した眞ノ助は、そのまま横になって眠りについた。 ふっと、次に目を覚ました時は、夕暮れが迫っている時間帯になっており、ぼんやりとカチカチと鳴る壁時計で時間を確認し、薄暗くなってきた部屋の中、それを見つめていた。 眠くなりそうになりながらも、そろそろ起きなくてはと、起き上がろうとした際に、自身が布団で寝ていたことに気づく。 寝る前のことを思い起こしてみるが、たしか、自分はその辺で雑魚寝をしていたはずだ。 ということは、眞ノ助が寝ている間に、あの側仕えがわざわざ布団に寝かせてくれたということになる。 華奢なくせに、よくまあ担げたな。 とはいえ、眞ノ助自身も少食なためか、同級生より痩せ型ではあるが。 再び、時間を見やる。 あと数時間で、夕食の時間となる。 勉強をする気はないので、暇潰しにと玩具の片付けでもしようかと目先だけそちらを見やった。──が。 「ない…………」 眞ノ助は目を疑った。 部屋半分ほど埋めつくしていたガラクタが、一つも、まるで元からなかったかのように、綺麗になくなっていたのだ。 まだ夢の中にいるのかと、目を擦ってみるが、やはり、ないものはない。 「どういうことなんだ……」 寝る前はたしかにあったガラクタの跡を、触れた。 自他共に認めていた、飽き性の自分が玩具を手に取った途端、祖父との思い出が昨日のことのように思い出され、玩具のおかげで、亡くなる前の祖父のような何かに対しての恐怖は薄れていったのだが。 ──眞一。お前なんかに佐ノ内家の当主が務まるはずがない 夕闇が、眞ノ助の部屋を黒く染まりかけ、そのせいか、自身の長い影がかつての祖父だった者と重ねてしまい、あの激昂した声と頬を殴られた感覚があり、とっさに頬を押さえた。 怖い。どうして、僕をあの父と見間違えたの。やっぱり僕のことは、可愛くもなんともなかったの。 視界が滲んでくる。唇が震える。 「──坊っちゃま!? どうされたのですっ!?」 悲鳴にも似た声と共に、慌ただしくそばに駆け寄る気配を感じ、慌てて涙を拭った。

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