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夏の風物詩と。12 ※フェラ
※『金平糖の君』らしき人のフェラ
『あら、旦那様。今日も私に会いに来て下さったの·····?』
急に、そっと肩に手を置かれたかと思うと、耳朶を震わせる、まるで人を誘っているような甘ったるい声が囁かれた。
ついさっきまで、自分以外に人の気配がなかったはずなのに。
けれども、この声はさっき聞いた声と一緒だ。
すぐさま後ろを振り返るが、やはり誰もいない。──と、反対側の耳元に気配を感じた。
『ココをこんなにも大きくさせて·····。ふふ、素直な旦那様·····』
「『いいから、慰めろ』」
え·····?
自身の今の発言に酷く狼狽する。
誰かに意識が乗っ取られたかのように、勝手に口が動いたのだ。
何故がどうしてと、混乱を極めていると、『分かりました』とやや嬉しげな返事が聞こえた後、眞ノ助の前に来、手際よくズボンを脱がされていった。
止めろ、勝手に脱がすな。
眞ノ助は慌てて脱がす手を止めさせようとしたが、思うように手が動かなく、その"誰か"はそうするのが当たり前だと言わんばかりに、仁王立ちのまま、その女性にやらせていた。
下着を脱がされた時、窮屈さを感じていた膨らみは、勢いよく飛び出した。
『ふふ·····いつ見ても、大きくて立派·····。慰め甲斐があります』
声を発する度に、生暖かい息が興奮している自身にかかり、腹奥が疼き、さらに興奮へと誘われる。
そして、それを頬ずりをし、眞ノ助なのか"誰か"なのか、耐えきれないといった熱い息を吐いた直後、その女性は肉棒に沿って舌を這わせた。
「ふ·····、っ·····」
舌が這うのと同時にわざとなのか、熱い息を吐かれ、その度に淫らな声が漏れそうになり、ぐっと下唇を噛み、必死に堪えるが、勝手に動いていた右手が行為を及んでいる女性の髪を撫でる。
一本足りとも傷んでいない麗しい黒髪は、指の間を絡まることなくすり抜けていく。
『金平糖の君』も、このように綺麗な黒髪だったのだろう。
歪な窓ガラスの光に照らされた、柔らかくも端麗な髪がより、端正な顔立ちを引き立たせ、息の仕方を忘れてしまっていた頃の記憶が脳裏に浮かぶ。
だけれども。きっと『金平糖の君』は、このように眞ノ助の肉棒を味わったことがあるかのように、むしゃぶりつくことはしない。
穢れを知らない、純潔な乙女のようだと。
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