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夏の風物詩と。13 ※フェラ

その時、自分ではない"誰か"が、撫でていた手を急に掴んだ。 なんと惨い事を。 さすがの眞ノ助も"誰か"に対して驚き、亀頭部分を口に含んでいた女性に同情を寄せた。 が、痛かったのだろう、その際に女性の歯が当たり、その刺激で奥底に溜まりに溜まっていた熱が一気に放出される。 「·····あ、ふっ、ん·····っ!」 身を震わせ、たまらない声を上げるのはどちらなのか。しかし、精を吐き終えるかどうかの間際、そんな些細なことはどうでもよくなった。 眞ノ助ではない"誰か"が苛立っているのか、手に力が加わったのを感じた後、女性を無理やり顔を上げさせた。 しかし、その顔を見た瞬間、目を瞠った。 飲み干しきれてない白い液を口の端から垂らし、頬を上気させた卑猥なその顔が。 「··········こ·····、」 行為を及んだ名残りの、渇ききった口では上手く発せられずにいると、その女性がフッと光の中へと溶け込んでいった。 「··········」 目の前で起きたことが信じられず、そのついさっき女性がいた場所を凝視していたものの、立っていられず、その場に座り込んだ。 あの顔は。間違えるはずがない。けれども、何故、あのようなことを。 いやそもそも知らぬ間に急に現れて、眞ノ助のことを『旦那様』と呼び、無理やりあのようなことをさせた。 勝手に思い描いていた、花も恥じらう乙女のことを、無意識にこの手で穢してやりたいという願望が幻となって現れたのか、それとも──。 「あっ! 佐ノ内君、やっと見つけられた〜。良かったぁ。本当、さっきはごめんね。──え」 忙しない足音が途切れた。 その時になってようやく眞ノ助の元に誰かが来たことを遅れて気づき、顔を上げると、あんぐりと口を開けている、恐怖が極まって逃げ出した同級生が立っていた。 「なんだ、そのアホ面は」 「あ、いや·····だって、佐ノ内君の·····その格好·····」 信じられないものを見たとも言いたげに、やや視線を逸らし、何故か恥じらっている様子の伊東に、怪訝そうな顔から一変、顔を真っ赤にした。 「·····み、見るな…っ!」 バッと股間部分を隠す。 自分の意思ではなかったとはいえ、このような姿をあの同級生に見られるとは。 一生の恥だ。 眞ノ助は羞恥に震え、しばらく動けずにいたのであった。

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