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『金平糖の君へ』10 ※寂柳×眞ノ助

角度を何度も替え、唇を重ねて来る度に、故意に音を立て、それでさえも腰を抜けてしまいそうに、快感で身を震わせているというのに、さらに暴かれた菊に指一本を挿入された上に、くちゅくちゅと耳を塞ぎたくなるほどに、いやらしい水音が部屋に響いてしまい、羞恥が快楽に変わっていく瞬間が、自分自身がどうにかなってしまいそうだ。 それが怖くて、止めてくれと震える手で胸辺りを叩くと、唇が離れた。 「……どうされたのです?」 「いや、その……」 快楽に溺れそうになって怖く思えた、なんて口が裂けても言えるはずもなく、口を拭う振りをして、辺りを見回していると、「あ、あのな!」と声を上げた。 「あそこの襖を閉めてくれないか! 誰かに見られたらどうする!」 「どうすると言われましても……」 ちらりと寂柳はそちらを見やった。だが、すぐにまたこちらを見た時は、妖艶な笑みを浮かべた。 「誰かに見られていると思うと、さらに燃えません?」 「そんなわけが…… ──んんっ!」 唇を塞がれる。と、今度は舌を捻り込んできた。 またそんなことをされたら、本当に自分が自分でなくなる。 しかし、口が塞がれているため、言えるわけもなく、その眞ノ助のを絡ませてくる寂柳に、受け入れるしかなかった。 「ふっ、んっ! ふぁ、あ、んっ……ふっん!」 下に挿入されていた指が二本に増えているような、やや窮屈さを覚え、だが、その無理やり押し拡げられていることさえも、段々と気持ちよく覚えてしまっていることから、いよいよ頭がおかしくなってしまった。 こうなってくると、頭が熱に浮かされたようになり、何も考えられなくなる。 腰からじわじわと震え始め、寂柳のされるがままになっていると、大きな接吻の音を響かせた後、挿入()れられた指と共に離れた。 小さく呻きながらも、ぼんやりとした頭で、ただ乱れた呼吸を吐いていると、寂柳がゆっくりと唇を舐め回した。 その姿が艶めかしくて、とっくに硬くした昂りがピクピクと跳ねる。 「坊っちゃまの性格とは裏腹に、素直に反応してますね……」 「馬鹿、にしてるのか……っ!」 「可愛らしいと思っただけです」 小さく笑いながらも、ズボンを脱ぎ始めた。 「何をしているんだ、お前」 「何って、解したココに私のを挿入()れるのですよ」 「は、……うっん!」

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