107 / 113
『金平糖の君へ』10 ※寂柳×眞ノ助
角度を何度も替え、唇を重ねて来る度に、故意に音を立て、それでさえも腰を抜けてしまいそうに、快感で身を震わせているというのに、さらに暴かれた菊に指一本を挿入された上に、くちゅくちゅと耳を塞ぎたくなるほどに、いやらしい水音が部屋に響いてしまい、羞恥が快楽に変わっていく瞬間が、自分自身がどうにかなってしまいそうだ。
それが怖くて、止めてくれと震える手で胸辺りを叩くと、唇が離れた。
「……どうされたのです?」
「いや、その……」
快楽に溺れそうになって怖く思えた、なんて口が裂けても言えるはずもなく、口を拭う振りをして、辺りを見回していると、「あ、あのな!」と声を上げた。
「あそこの襖を閉めてくれないか! 誰かに見られたらどうする!」
「どうすると言われましても……」
ちらりと寂柳はそちらを見やった。だが、すぐにまたこちらを見た時は、妖艶な笑みを浮かべた。
「誰かに見られていると思うと、さらに燃えません?」
「そんなわけが…… ──んんっ!」
唇を塞がれる。と、今度は舌を捻り込んできた。
またそんなことをされたら、本当に自分が自分でなくなる。
しかし、口が塞がれているため、言えるわけもなく、その眞ノ助のを絡ませてくる寂柳に、受け入れるしかなかった。
「ふっ、んっ! ふぁ、あ、んっ……ふっん!」
下に挿入されていた指が二本に増えているような、やや窮屈さを覚え、だが、その無理やり押し拡げられていることさえも、段々と気持ちよく覚えてしまっていることから、いよいよ頭がおかしくなってしまった。
こうなってくると、頭が熱に浮かされたようになり、何も考えられなくなる。
腰からじわじわと震え始め、寂柳のされるがままになっていると、大きな接吻の音を響かせた後、挿入 れられた指と共に離れた。
小さく呻きながらも、ぼんやりとした頭で、ただ乱れた呼吸を吐いていると、寂柳がゆっくりと唇を舐め回した。
その姿が艶めかしくて、とっくに硬くした昂りがピクピクと跳ねる。
「坊っちゃまの性格とは裏腹に、素直に反応してますね……」
「馬鹿、にしてるのか……っ!」
「可愛らしいと思っただけです」
小さく笑いながらも、ズボンを脱ぎ始めた。
「何をしているんだ、お前」
「何って、解したココに私のを挿入 れるのですよ」
「は、……うっん!」
ともだちにシェアしよう!