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第5話
「今回は何ヶ月だと思う?」
にか、と笑ってから筒百合サンは俺を見る。俺は、るあの顔を思い出して言う。銀髪マッシュ。たまに毛先をワックスで遊ばせている。俺は指を4本突き出して。
「よんしゅうかん」
「いやあ。俺は2週間と見たね。おまえのことコキ使いすぎだもんなあ。きっと親父殿から愛想つかされるタイプだ」
「そうかな。アイツも頭てってれてーだから、るあのこと死ぬまで飼うつもりかもしれねえぞ」
一呼吸置いてから、俺は筒百合サンを横目に見て笑いながら空気を吐き出す。
「意外と気に入るかもしれねえしな」
俺の言葉に巨人は
「確かになあ。まあ、無理はしねえこった。俺なら愚痴聞くからよ。また、来てくれや」
この男。顔も身体も厳ついくせに、要所要所で優しさを見せてくる。悪い奴ではないんだよな。
「さんきゅうな。俺はこれから、るあの犬になってきまーす」
店の入口まで来てから、筒百合サンが大きく声を出した。
「オウ。頑張れ」
だから俺はくるりと半身を翻して、返事をする。
「わん」
雑居ビルの地下一階にある刺青屋『漢道 』を出る。筒百合サンが店長を勤める個人経営の小さい店だ。客足が悪いというがこの辺りの刺青屋では一番客が多くて有名だし、腕も確かだ。
携帯電話を確認して、るあからのメッセージを目に入れる。
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