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第6話
『バイアグラ、焼ニラ餅1パック、ウェットティッシュ(アルコールなし)、板チョコ、らむねグミ』
「なんつう買い物リストだ」
俺はげんなりと頬をこけさせながら、道端でスマホを睨みつける。バイアグラって。おまえまだ20そこそこだろ。おまえが使うのかよ。
そこまで推理してから、はた、と気づく。
これ、アイツが使う用じゃねえのか。
と。そう思った途端、強烈な嫌悪が体の端々に走った。やべえ、吐きそう。空嘔吐をしてから、頭上を見上げた。わたあめみたいな積乱雲がうようよ浮いてやがる。あー、甘そ。夏祭り行きてえな。屋台とか巡ってさ。食べ歩きすんの。ににでも誘えばいくらかの暇つぶしになるだろ。
じりじり焼き付ける太陽を恨めしく思いながら、道中のドラッグストアに寄る。バイアグラ、バイアグラっと。買ったことねえから売り場がわかんねえ。けど、店員に聞くのは気まじいから……。15分かかってようやく見つけた。
買い物カゴにるあの要望の品々を入れていく。レジに並ぶと、俺と同い年くらいの男の子がバーコードを読み取り始めた。
「あのう……」
全ての品を会計後のカゴに入れてから、男の子が遠慮がちに聞いてくる。
「こちらの商品は年齢制限がありまして……。大変申し訳ないのですが、なにかご年齢がわかるものを提示していただけますでしょうか?」
クソ。全部るあのせいだ。俺は諦めずにつん、と澄まして答える。
「ハタチだけど、文句ある? この見た目で学生はねえだろ」
うーん、と店員は困ったように眉を寄せて俺を見る。
「あ、の……」
「うん?」
「その制服、沖鮎東中学校の制服ですよね」
「……あ」
俺としたことがあ。制服だったのをすっかり忘れていた。俺は着るものにはざっくりな性格で、布で局部が覆えばそれは服だと信じてしまう質 だ。
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