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第6話
放課後、同じく弓道部の圭と部室に向かっていると、真琴と三琴も着いてきた。
「 ...本当にお前らも弓道部に入るの?」
「 「 うん!そのつもり!」」
これでもか!な満面な笑みにガックリと肩を落とす。
「 遊びじゃないんだからね」
圭が釘を刺す。
「 わかってるよー。でも弓道、て興味もあったし、ね?真琴」
「 うん、あったもんね、三琴」
そうして、二人が入部届けを出すと、その場にいた部員たちからピンク色の歓声が上がった。
「 こんな可愛い双子ちゃんが入部なんて、志垣様様だなあ」
副部長のアルファが俺に近づいて来て、部長と会話してる二人を垣間見る。
「 可愛いですかね」
「 可愛いじゃん。色白くって、ちっこくて、顔も女顔負けなんじゃね?」
「 見るからにすべっすべな肌ですね」
「 目も適度ながら大きくて、声も可愛くないすか?」
涎垂らしそうな顔でアルファの部員たちは真琴と三琴にハートが飛び出そうな視線を送る。
不意に、視線に気づいたらしい、チョーカーから、三琴だとわかるが、ニコッと笑みを浮かべた。
俺の周りのアルファがきゅん、としたのがわかる。
「 やべ、刺さったわ。心臓に」
一人の部員が胸を抑えた。
「 刺さった?矢が?」
「 お前は何とも感じねーの?」
「 はあ、特に?」
「 終わったよー!順平くん!」
「 これから部活だよね!よろしくね、順平くん!」
アルファだけでなく、一部のオメガの部員までが俺を見た。
「 あ、副部長、俺、今日は休みます」
じゃ、と部室を出ると、真琴と三琴、圭が着いてきた。
「 「 今日は?」」
「 休む。てか、帰るから、また明日な」
と、校門をくぐったが...圭は近所だからわかるが、両隣に真琴と三琴まで。
「 ....何処まで、着いてくる気?」
怒りを潜めた声で圭が言い放つ。
そうだ、さすが理解者。
「 何処まで、て...帰り道、一緒だし。ね?三琴」
「 だよね、真琴」
「 ....どういうこと?」
「 気がつかなかった?順平くんの家の真向かいに住んでるんだよ、僕たち。前の住人には立ち退いてもらったの」
「 うん。お父様にお願いして、立ち退き料を払ってもらって、リフォームも終わったんだって」
左右の同じ顔を見下ろすまでもなく...
「 マジかよ...」
と心の声が漏れ、
「 「 マジだよ?」」
真琴と三琴が同時ににっこり微笑んだ。
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