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第14話

※双子の日常 「真琴様、三琴様。朝ですよ、お食事の準備が出来ております」 真琴と三琴の部屋に教育係の津島航生がドアを開けると、キングサイズのベッドでパジャマ姿の二人が寝ている。 掛け布団をどかし、真琴は天井を仰ぎ、片手を上げ、スヤスヤ。 少し隣では、真琴に脚を乗せ、横向きに眠る三琴の姿にやれやれ、と、 「真琴様、三琴様!...相変わらず、寝起きが悪い...」 一旦、部屋を出た津島は別室からバイオリンを持ち、再度、二人の部屋へ。 二人の眠るベッドの間近で、津島がバイオリンを弾き始めると、 「「うるさいー!!!」」 ガバ、と部屋中に響くバイオリンの音に両耳を塞ぎ、二人は同時に起きた。 「ようやくお目覚めですか。朝食が冷めてしまいますよ。早く顔を洗って、歯を磨いて一階へ」 深々と頭を下げると、津島はバイオリンを片手に部屋を出て行った。 「あー、びっくりした、ね、真琴」 「だね、三琴。いい夢、見てた最中だったのにー」 「へー!どんな夢?」 「それがね、空を飛んでた。空から地上を見下ろしていたらね」 「うんうん」 「三琴と順平くんもやって来て、一緒に空で踊るの」 「空で?」 「うん。地に足が着いてない状態で踊るの。少し怖かったけど、みんなで手を繋いでいたからかな、そんなに怖くなくなって」 「真琴様、三琴様。お喋りは後にして、早く準備をされてください!」 部屋から顔を覗かせた津島に怒鳴られ、 「「...はーい」」 二人はようやく、ベッドから降りた。 二人は顔を洗い、同時に歯ブラシを手にすると、 「はい、三琴」 チューブの歯磨き粉を三琴の歯ブラシに捻り、次に自分の歯ブラシへ捻る。 そして、同時に、鏡を見ながら、シャコシャコ、歯を磨く。 ダイニングテーブルには二人の朝ごはん。 「「今日も美味しそうだね、実田さん」」 「ありがとうございます。お口に合えばいいのですが...お弁当は如何でした?喜んで頂けました?」 実田の首には真琴や三琴とデザインは違えど、チョーカーがある。 家政婦の実田はオメガ、教育係の津島はアルファだ。 「うん!美味しいって言ってくれた」 「うん!でも、ちょっと、量、多かったみたい」 二人はナイフとフォークで朝食を摂りながら応えた。 今日の朝食は、ポーチドエッグの乗ったローストビーフ、実田の焼いたロールパン、冷製のじゃがいものポタージュとサラダだ。

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