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11月11日ポッキーの日・SS

 突然ですが、11月11日『ポッキーの日』にちなんで、駿と想の可愛いSSをどうぞ! 時季はずれで申し訳ないです。 ****  想と結ばれた夏から季節は巡り、もう11月半ばになっていた。 「想、ちょっと買いたいものがあるんだけど」 「もちろん、いいよ。何を買うの?」 「ポッキーに決まってる!」 「くすっ、決まっているんだ」  想は相変わらず俺が何をしても楽しいらしく、いつも嬉しそうに微笑んでくれる。  あぁ、今日も最高に可愛いなぁ。  金曜日の夜で疲れが溜まっていたが、そんなの吹っ飛んでいくよ。 「よし、あそこのコンビニに寄ろう」 「うん!」       俺は昼休みにスマホに流れてきた魅力的な情報に、すっかり魅了されていた。 『11月11日は、ポッキーの日』  頭の中で想と向き合ってポッキーゲームをして甘く盛り上がるシーンばかり浮かんで、煩悩を追い払うのが大変だった。  今日は想には、俺の家に寄ってもらう!  その後の展開を考えるだけで、ワクワクしてくるぜ! 「おぉぉ、よかった! あった!」 「駿って、そんなに『ポッキー』好きだった? じゃあ僕もせっかくだから買おうかな」 「お、おう!」  いいな、いいな、量は多い方がいい。 「駿がシンプルにするなら、僕はチョコレート味にするね」 「うぉ~ チョコもいいな、大歓迎だ」 「くすっ 何だか駿が上機嫌で嬉しくなるよ」   『ポッキーの日』の存在は、この春、英国から戻ったばかりの想は知らないらしい。相変わらずおっとり上品な会話がツボにはまる。  俺は想を連れて家に戻り、早速ポッキーを取り出し提案した。 「想、今日はこれでゲームをしようぜ」 「どんなゲームなの?」 「俺と想でこのポッキーの両端を咥えて食べるんだ。食べれば食べるほど顔が近づくから、どこまで食べ進められるかを競うゲームさ」  想がキョトンとする。 「駿、それって早食いするってことだよね? 僕、あまり得意じゃないから出来るかなぁ」 「ん? いやいや、そうじゃないよ」 「でも食べないとキス出来ないのだから、そうじゃないの?」 「ん? 確かにそれはそうだ。いや、なんか違う! そうじゃない! それじゃゲームにならないだろう。口が触れるか触れないかギリギリの所まで食べ進めて、どれだけ短くポッキーを残せるかというルールのゲームなんだ」  想は目を見開き、それから寂しそうな表情を浮かべて。シュンと沈んでしまった。 「急にどうした?」 「じゃあ……今日はキスをしてはいけない日なんだね」 「いや、それは絶対にない!」 「早食いでないなら、どうしたらいいの? いつまで経ってもたどり着けないなんて、そんなの嫌だ」 「あぁ、もう!」  想が俺とキスをしたいという気持ちが、溢れんばかりに押し寄せてきた。    俺はポッキーを放り投げて、いじらしい想の顎を掴んで深いキスをした。 「ん……っ」 「俺たちの間に、そんな駆け引きはいらなかったな。悪い……」 「駿……ごめん。僕、ポッキーにまで妬いて」 想が涙目で俺を見上げてくる。  な、な、なんて可愛い嫉妬なんだー! 「じゃあさ、食べさせてやるよ」 「え!」 「ほら、あーん!」  俺はとびっきりの笑顔で、想の唇をポッキーでノックした。  想は顔を真っ赤にして口をそっと開けた。  口にチョコレートポッキーをそっと差し込んでやると、周りのココアパウダーが想の綺麗な唇を汚した。 「あ……食べさせてもらうのって難しいね」 「綺麗にしてやるからな」 「あ……んっ、ん……」  唇をペロペロ舐めてやると、想がふわりと微笑む。 「擽ったい……」  色っぽい声に、いいことを思いついた。 「なぁ、このチョコレートは冬季限定で口溶けがいいんだって。ちょっと舐めてみて」 「ん……やってみるね」  チョコレートポッキーを手に取って舌でペロペロと舐める様子に、あっという間に欲情した!  少し上目遣いに俺を見つめる想が、メチャクチャ可愛い! 「こう……かな?」 「はぁぁ……溜まらん」  これはまさにポッキーゲームじゃないか。  俺たちだけのポッキーゲームだ! 「あの……今日は……駿のも……しようか?」 「へっ?」  想が俺のスラックスのファスナーに、躊躇いがちに手を伸ばしてくる。   「ここ……いつも僕の、してくれるから……僕もそろそろしてみたいなって」 「ええっ!」 「ポッキーのお陰で練習できたし」 「えええ!」  俺がするのはノリノリだが、してもらうのは猛烈に照れ臭くて……  想像だけで抜ける身体が、エライコトニ!  俺は股間を「ううっ」と唸りながら押さえて、その場に蹲った。 「シバラク……オマチクダサイ……」 「駿、くすっ、その台詞、懐かしいね」 **** 続きは沢山妄想してくださいね💕 あとがき **** ドタバタと可愛い二人でした。 最後は定番のポッキーゲームではなく、あらぬ方向になりましたが、二人が相変わらず楽しそうで幸せそうなのが、書いていて嬉しかったです。読んで下さってありがとうござました。

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