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第27話

『俺も好きな人がいるんだよ。男の』 『!』 いきなりの宇佐木のカミングアウトに、俺の表情は一瞬で元に戻った。 『俺さ、けっこー遊び人なんだけど…あの人のことは本気なんだ。だから今は遊んでない。…でまぁ、せっかくガキくさいコーコーセーやってるわけだし?友達でも作って恋バナとか可愛いコトがしてみたかっただけ。そこに同じ趣向のお前がいたから声かけてみた。……迷惑だったか?』  少しだけさびしそうな顔で笑う宇佐木は、もう全然不良には見えなかった。 よくよく見れば、男のくせに線が細くて綺麗な顔をしている。理音には遠く及ばないが。 『どうして俺がそうだってわかった?』 宇佐木の質問には答えず、質問で返した。 これが一番聞きたいことだったし。あと理音に関係なければ別に迷惑でも何でもない。 『分かる奴には分かるもんだよ。雰囲気でね』 『……そんな雰囲気、出してるつもりない』 『だから分かる奴には、って言ってんじゃん』  困ったように笑う宇佐木。なんだかよくわからないが、こいつは一応勇気を出して俺に話しかけてきたんだってことだけは分かった。 つーか、俺がホモ……ゲイじゃなかったらコイツどうする気だったんだ。 『で、そのリオンくんを抱きたいの?犬塚は』 『だっ!?』 『それとも抱かれたいの?』 『ちょっちょっと待てちょっと待て!何だそのアレはちょっと待て』 抱くだの抱かれたいだの、意味は分かってるが童貞には刺激が強すぎるんだが!!(※この時の質問がきっかけで俺はあらぬ妄想にふけるようになった) 『ちなみに俺は抱かれたい側の人ね』 『そうなのか』 また妙なカミングアウトをされてしまった。 理音を抱く?俺が? 想像しただけで鼻血が出そうだ。 『お、おい犬塚お前、鼻血出てるぞ!』 『え?』 出そうと思ったら出てた。 ……とまあ、これが俺と宇佐木が仲良くなるきっかけだ。 最悪だったのは、俺が鼻血を出したことだ。

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