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第37話
「いや、だからそーじゃないって」
「なんで!?」
「何でってなんででもだよ。そーゆう法則なんだよ」
「マジで英語意味わかんねぇぇ!」
「英語とかほぼ暗記だろ」
部活が終わったのが18時で、理音が家に帰ったのが18時半。理音がうちにきたのが19時半。
そして現在、なんだかんだと英語の課題に追われて……22時半。時間がかかるとは思っていたけど、かかりすぎだろ。
期待していたようなラブラブな空気はない。ま、恋人でもないからラブラブもクソもないんだけど。ちょっとくらい妄想してしまっても罰は当たらないだろう。
「終わった……」
「つーかお前に教えるのがしんどい。よくうちの高校受かったな……」
暴言だ。当時は嬉しかったんだけど、敢えての暴言だ。
「あのときの俺は神が降臨してたんだよ」
「また呼び出せ、その神を」
「そんなしょっちゅう呼び出せるか!」
理音は俺のベッドへとダイブして、うーんと伸びをした。
好きなヤツが自分のベッドでくつろいでいる!!この光景、軽く勃起する。
「つーか理音、今夜はどこで寝るつもりなんだ?布団はこれしかないぞ」
「え?お前のベッドでかいし、ここで寝るつもりだけど?」
「は?」
コイツは、ホントに俺を殺しに来たんじゃないだろうな。
「ダメか?」
「ダメってか…え、ちょっと待て」
「男同士なんだから別にいいじゃねーかよっ、男女の幼馴染だったらさすがにヤバいってことくらい俺でも分かるし!」
いやいやいや。そんなの関係ないから。男だとか女だとか。
お前は、理音だろうが。俺はお前が好きなんだぞ?
あーでも、なんか変なことしようもんなら一瞬でこの信頼も崩れてしまうのか。こういうのってなんて言うんだっけな。
あれだ……生殺し。
「あ、俺昂平にモデル仲間教えてやろうと思って雑誌持ってきたんだ、俺のカバン取って!お前もこっちに来いよ」
「……………」
ついに無言になった。
だって俺のベッドに理音が居て、その理音が俺をベッドに誘ってる……。
ああああもう、とにかく落ち着け俺!!!
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