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第39話

 そんな他愛ない話をずっとしていたら、もうそろそろ日付が変わりそうになっていた。 しめた。超眠い。 眠ってしまえば、理音を襲いたい願望も意識と共に消えてしまうだろう。無くなるわけじゃないけど。 そうと決まれば、寝る前にトイレで抜いて来るか。 「も、眠い……寝る……」 「理音、トイレは?」 「んー、行く」 「よし、先に行かせてやる。一応客だからな」 「ん……」  まるで子どもみたいに、今にも寝てしまいそうな理音の手を引いて、連れションに行く。 なんか時々本気で自分が理音の保護者になってる気がする。 子猫をかいがいしく世話する母ネコというか、母ネコを亡くした子ネコを育てる母犬というか、たまにニュースで見るよな、そういうイイ話。あんな感じ。  理音は手がかかる。でも、手がかかることに苦痛を感じたことはない。 だから俺はいつも理音を甘やかしてしまうんだ。それが悪いことだとも思ってない。 「……おしっこ出た」 「んじゃ先に戻って寝てろ、ベッドの真ん中ぶんどるなよ」 「ここでまっとく……」 「え」  トイレの前で待ってられたら抜けないじゃないか!俺のオナニーを阻止するつもりなのか? てことは、寝顔を見ながら抜いていいってことだよな?よし、いい度胸だ。 ……なんてな。  俺はポンポンと理音の頭を二回叩くと、自分も小便を済ませた。 オナニーもしたかったけど、流石にドアの前で理音が待ってられたらできない。 ホントに確信犯じゃないだろうな。  ベッドに二人で横になり、薄い布団をかけた。枕は、俺の抱き枕を横にして二人で使う。 俺がいつも理音を想像しては抱きしめて、ゴロゴロ悶えてるあの抱き枕だ。 「じゃあ、おやすみ理音。明日は5時半な」 「おやすみ……」  リモコンで部屋の照明を消す。理音は真っ暗が苦手だから、照明はひとつだけ残しておく。 苦手だったのは小学生の頃の話だけど、今はもう平気なんだろうか。

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