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第48話

『お前さぁ、ゲイだろ?』  席が前後なだけで、たいして話したこともない派手なクラスメイトからいきなりこんな話題で話しかけられたら、そりゃあ戸惑うだろう。 それは分かる。分かるけど。 ここまでオソロシイ顔で睨まれるとは思ってなかったぞ。  案の定犬塚は、俺が話しかけてきたのは幼馴染を狙ってのことだと勘違いしたらしかった。 こいつどんだけ幼馴染のことが好きなんだよ。 でも、幼馴染って聞いて納得した。 この変人があんな安心しきったような顔見せる相手は一体どんな奴なんだ、と不思議すぎたから。 犬塚いわく、理音くんは『可愛すぎる俺の子猫ちゃん』だそうだ。  こいつ見た目と中身のギャップ激しすぎだろ。軽く変態入ってんじゃねーか。童貞こじらせやがって。 で、その理音くんの正体がモデルのRIONだと知った時はびっくりした。正面から見たらすぐ気付いたんだろうけど。  俺は結構ガチなRIONのファンで、RIONがモデルを務めるブランドの服とかよく買ってたから。ちゃんと男だけど、細くて綺麗系モデルのRIONが着こなす服は、どれも俺の体にしっくりとなじんだ。  同じ学校にいるってことも知らなかった。噂とかそういうの、興味ないし。 興味があるのは小野先生のことだけだったからな、俺。犬塚と同じクラスになるまでは。  そんなこんなで仲良くなって、クラスではよくつるむようになった俺と犬塚。 高校生なんてガキくさいから友達なんてできなくていいと思ってたけど、それは他人とは性的思考が違う、俺の言い訳みたいなもんだった。 犬塚と一緒にいると楽しい、と純粋に思った。  だってこいつ、仲良くなったら超ウザいの。俺のことは昔話風に『うさぎどん』とか呼ぶし、やっぱ変人だな。 だから俺も『わんこ』って呼ぶけどさ。

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