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第49話
そんな変人でも、レンアイはかなり奥手のようで。
理音くんとはもうすでに付き合ってて、お互いの家でガンガンセックスしまくりだと思ってた。それがまー、なんとまー、まだ童貞だというのだ。
見た感じすげえ立派なモノをお持ちなのに、使わないなんてなんて勿体ない!
俺がちょっと遊んでやろーかと思ったけど、何故かこいつ相手には勃たねぇだろうな、と思った。初めてできた友達だからだろうか。
それにせっかく築いた関係を壊したくなかったから、手ぇ出すなんて馬鹿なことはしなかったけど。
――今俺が思ったことそのまま、奴が理音くんに抱いている想いだそうだ。
俺の思いより、グレートはめちゃくちゃ高いけど。
そりゃあ、17年間ずっと一緒に過ごしてきた幼馴染みと、友達になって二カ月の俺とじゃ、その言葉の重みは天と地の差ほど違う。
『理音に嫌われたくないんだ』
『軽蔑されたくない』
『俺はもう、あいつから離れることはできないから』
『理音が俺の世界から消えたら、俺も死ぬ』
『好きだとは絶対に言わない』
『これからもずっと、俺は理音と一緒に居たいから』
思わずこっちが恥ずかしくなるようなセリフを、照れもせずに言う犬塚。
きっとすべての言葉が本気だからだろう。
重い。
重すぎる。
けど、ここまで想われる理音くんが少し羨まし いと思った。
犬塚は理音くんをノンケだと言っていた。彼はモデルを始めてから今まで以上にモテ始め、あっちこっちで女を食ってると自分で吹聴してるらしい。
RIONのエロさとセクシーさを思えば、妥当だと思った。
でもそんなにとっかえひっかえしてれば悪い噂の一つでも立ちそうだが、全くそんなことはなかった。
だから、モデル業界のオンナを食ってんのかなーと、思ってた。
『理音も童貞だった…』
犬塚がそう言った時には、自分の耳も疑った。
誰にも言わないから、聞いたのは許してくれ、理音くん。つーかわんこが自分からしゃべったんだよ、サイテ―だなあいつ。
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