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第77話
理音が男……………!?
って
「いやいや、知ってるし。幼馴染だし。むしろ女だったらびっくりだわ」
「いやそーじゃなくて。お前いま絶対違う受け取り方したろ?」
「何が?」
「はぁ……もう、バカわんこ。お前ってホント勉強しかできないバカな。仲のいい人間以外には寡黙にふるまっててよかったよホント。はーもうばかちんが。理音くんかわいそう」
「おい、暴言はやめろ」
誰がばかちんこだ。(言ってない)一応俺のほうがこいつより成績はだいぶ上なんですが!くそっ、バカバカとバカにしやがって。
「とにかく、俺からお前に言えることはこれだけだよ。しっかりしろよ、バカわんこ。お前ほんとにそんなぐだぐだしてると、モデルの野郎どもに理音くんを取られるぞ」
「は?何言ってんだ」
俺は理音を大事に思ってるだけで、決してグダグダしてるわけでは……
するといきなり宇佐木が、俺の目の前に自分のスマホをかざした。いつのまにいじってたんだ、こいつ。
スマホ画面には、ある画像が開いてあった。誰かのブログの画像らしい。載っているのは撮影後らしい小奇麗な理音と、浅黒い肌をした男モデル。こいつは確か……
「千歳シンジ?」
「そう。これ、昨日の千歳のブログの写メなんだけどさ」
理音と千歳シンジはしょっちゅう一緒の雑誌に載っているし、今さらこんな写メを見せられてもなんとも思わないんだが。
つーか理音がよくお世話になってるしな。俺にとっては、別に今更嫉妬する対象じゃない。
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