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第79話

* 昂平の様子がおかしい。 念願の両想いになれた俺は、今までの我慢が爆発したように、昂平に思い切り甘えた。 今までツンツンしてたのがばかみたいに思えるほど。素直になればなるほど昂平は優しくて、どうして今まで素直になれなかったのか、本当にばかみたいで……。 朝、部屋に迎えにきてくれるのも嬉しくて、昂平をベッドの中に引きずり込んだりした。 朝練に遅れるから抱き合っていられるのは1分くらいだけど。 『おはよ、昂平……』 『ん、おはよう、理音』 それでも、寝起き一番に昂平に会えるのは嬉しい。寝顔を見られるのは、やっぱりまだ少し恥ずかしいけど。 昂平も俺をギュッと抱きしめてくれて、キスをして離れて、ほんとうに幸せだ。 正直、いつ抱かれても構わないと思っている。俺も男だから『うーん』と思わないでもなかったが、俺と昂平の体格とか色々考えてみたら、絶対抱かれるのは俺のほうだよな、と思った。 あ、もちろん昂平が抱かれたい側だったら俺は喜んで代わるけど。でも、今昂平に甘えているポジションとかを考えると、俺が抱かれる側なんだろうな、というのは明白だった。 そして俺はそれでいい、と納得している。宇佐木だって、『抱かれるほうが絶対気持ちいいよー』と言ってたし。 昂平ママの千恵さんが夜勤で家に居ない時、きっと昂平は俺を呼んで、抱く。そう思って、待っているんだけど…… もう付き合いだして三週間になるのに、昂平は一向に俺を家に呼ばない。

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