85 / 141

第85話

「まぁいいや。宇佐木ってなんの機種使ってんのかなっと」 「あっ」 ひょい、と止める間もなく理音は宇佐木のスマホを手に取り、開いてあったその画面を見た。そしてその途端、理音の顔から表情が消えた。 なんだ?その反応は。まさか…… 「こ、これ昨日撮ったやつだ!千歳くん、まじでブログに載せたんだな~っ、なんかこうやって客観的に見るとちょっと恥ずかしいな」 ぎこちない。鈍い俺でも分かるくらい、理音はぎこちなく言った。 まさか、本当に? 『モデルの野郎どもに理音くんを取られるぞ』 「……理音」 少し低めの声で呼ぶと、理音はビクッとした。おそるおそる、といった様子で俺の方を見る。 「な、なんだよ」 「ブログに、RIONに振られたと書いてあった。千歳シンジに告白されたのか?」 そう聞いたら、理音はひどく焦った顔をした。 「そんなの、冗談だよ。俺は、本気にしてない」 「じゃあなんでそんなにびびってるんだ?何か俺に後ろめたいことでもあるのか」 「びっ、びびってなんかない!変なこというな!!」 理音の大声で、教室に居た全員がこっちを注目した。俺は小さく溜め息を着くと、理音の 腕を掴んだ。 「そのスマホはその辺に捨てて、ちょっとこっちに来い」 「……ッ!」 教室を出て、どこでもいいから二人になれるところを探して…… 結局、トイレの個室に理音を連れ込んだ。

ともだちにシェアしよう!