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第87話
しかし、こう狭いところで密着してるとアレだ。俺の息子が暴れそうになってきているんだが。
朝にあんな痛い制裁を受けてもまだ懲りないのか、俺は。まったく、性欲の塊か!
いや、健全な男子高校生なら当然だ。俺がおかしいんじゃない!
だがしかし、こらえろ、俺……理音に変態だとばれたくなければ、こらえろ!!
「昂平……」
「ん?」
「キスして……?」
んなっ!!?
人の気も知らず、目を瞑って『ン、』と可愛いキス顔を向ける理音。
「……っっ……!」
やばいやばいやばい可愛い可愛い可愛い可愛いはあはあはあはあはあ理音可愛い理音可愛いりおんかわいいぃぃ!!
我慢なんて出来るかバカ野郎――!!
「ンンッ!」
俺は理音を思いっきり抱きしめると、差し出された唇に思いっきり自分の唇を押し付けた。唇を吸い、舌を入れて口内を舐め回していく。
「ンチュッ、チュッ、チュプッ、んふぅ、レロレロッ」
「ンッ、ンッ、はッ、こうへぃ……っ」
唇を離して、少し下を見下ろすと、そこには顔を赤く染めてトローンとした顔の理音が。
「こうへい……好き……」
「理音ッ……!」
もう……もう俺はダメだ。
理性なんてクソ食らえだ――!!!
俺は今日ここで理音を犯……
コンコン!
「!?」
「おい、そこのバカップル。いい加減にしとけよ、誰も中に入れねーだろうがっ!」
この声は……
宇佐木ィィィ!!!邪魔しやがってぇぇ!!ありがとう!!!友よ!!!
「……出るか……」
「……うん」
宇佐木の声で色んな気が削がれて、とりあえず俺は理音に変態だと思われずに済んだのだった。
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