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第97話

「おおお……」 なんというか、色々と眩しい。カメラのフラッシュも、撮られている理音も千歳も。 理音はいつもこんな風に撮影してもらっているのか……。 和泉さんに髪を整えてもらって、メイクもしてもらって、雑誌で見るよりも凄く綺麗だ。 少し悔しいが千歳とも息がぴったりで、二人とも指定されたポーズを次々と決めている。 でも、なんだかいつも雑誌で見るのと比べて、表情がおかしいような……。 「RIONなんか今日表情カタイねー!友達が見てるから緊張してるのー?」 「きっ、緊張なんかしてません!」 「そーおー?リラックスしてねーリラックス!」 カメラマンにもそう声を掛けられていた。 ん?俺のせいなのか? そういえば、理音はカメラを向けられているときはいつも俺に見られることを想像している、とか可愛いことを言っていたな。 でも、それなら今更本物に見られたからって同じじゃないか? むしろ想像じゃないぶん、うまくいくんじゃ? ……そんな単純なもんじゃないのか。 でも、こんな大勢の人間に見られながらも物怖じせずに、次々とポーズを決めてシャッターを切られる理音のことは、単純にスゴイと思った。慣れもあるんだろうけど、俺だったらマネできない。 「RION、やっぱりちょっとまだ硬いなー!」 あ、また注意された。 今のは別におかしいと思わなかったけど……カメラマンには分かるのか?さすが、いつもレンズ越しに理音を見てるだけあるな。 「ねぇねぇ昂平くん、ちょっとRIONの緊張ほぐしてあげたら?」 俺の隣に立っていた斎藤氏が、つんつんと肘で俺を突つきながらそう言った。 「え?」 「だってあれ君のせいでしょ?RIONがあんなにガチガチなのって。好きな人に見られてるだけであんなに変わるなんて、RIONって素直で可愛いなぁ。こんな顔があったなんて知らなかったよ。でも、撮影が長引いたら明日大変なんでしょ?朝練とかしてるんだよね」 「確かに」 でも、緊張をほぐしてやるっつってもどうしたらいいんだ。まさかこんな大勢の人間がいる場所で抱きしめるわけにもいかないだろう。 うーん、リラックスさせる方法か…… ……………そうだ!

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