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第102話

「……お前が言って、そこまで説得力の無い言葉もないな、理音。そっくりそのまま返してやる」 とんでもない独占欲のセリフと同時に、盛大にカミングアウトしてしまったことに一瞬意識が遠のいたけど、昂平が優しく抱きしめてくれたので俺は気絶することもできなかった。 「……っ」 でも恥ずかしすぎて、次の言葉を発することもできない。そんなだから、世界一安心する昂平の腕に大人しく抱かれて、周りの声に耳を傾けていた。 「やっぱり彼氏のこと好きすぎだろ、RION」 千歳くん、昂平のこと好きになったりしないかな。男から見ても普通にカッコイイし。 「も~~可愛いんだからRION!心配しなくてもRIONの好きな人奪ったりしないから!それにしてもいい仕事したなぁわたし!」 和泉さん、なんかいつもより仕事やりきった顔してますね。昂平を小綺麗にしてくれてありがとう。でもちょっと恨むぜ。 「あ、連れてきた瞬間から彼氏って分かってたからバレたとかの心配はしないでね!」 ちょっと、マジですか村井さん。なんでそんな早々にバレてるの? 「え、てか隠す気があったの?手繋いでスタジオに入ってきてたよね君たち?そんじゃー時間もあんまりないからさっさと記念撮影しようか?このままいちゃいちゃラブラブモードでも構わないよー」 あああああっっ!! そういえば無意識に手を繋いでたぁぁっっ!! 「あ、是非それでお願いします」 「お願いしますじゃねぇよ馬鹿!」 俺は昂平から身体を離すと、上目遣いでキッと睨みつけた。普段とはかけ離れた格好してるくせに、余裕ぶってるというか調子にのってる昂平に対してなんか悔しくて、思わず啖呵を切った。 「……久しぶりに、エロモード解禁してやる!鼻血吹いてぶったおれんなよ、素人が!」 「マジか。お手柔らかにお願いします、RION先輩」 なんでこんなことになったのかよくわからないけど、記念撮影というただの遊びの撮影なのに、今日一番気合いの入ったポーズと表情を作ってしまって、カメラさんに怒られた。

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