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第113話

「ところで、昂平」 「ん?」 「お前、男同士のヤり方って知ってんの?」 え、なんで黙るの。もしかして昂平、知らないの、か!? 俺が不安な顔をしてると、昂平がニヤリと笑った。 「……知ってるに決まってるだろう。準備もばっちりだ。俺がこの悶々としてた二週間、ソレについて何も勉強してないとでも思ったのか?」 「……………」 何堂々とムッツリ宣言してんだ、こいつ。ドヤ顔してるけど全然かっこよくねぇから。 つーか…… 「何だよ、悶々としてたって。それならさっさと襲ってくれたらよかったのに!お前、俺がどれだけやきもきしたと思ってんだよっ!」 「は?いや、俺はお前を大事にしたくて!それに付き合ってそんなに早く手を出したらカラダ目的だと思われると思ってだな」 「アホか!!何年も一緒にいるのに今さらそんなこと思うか!!つーか別に女子じゃねぇんだぞ俺は!どんな遠慮の仕方だよ!」 「……………」 俺がそう言ったら、昂平は何かに気がついた、という顔をしてじっと俺を見つめた。 「な……なんだよ……?」 「……そうだよな……」 「は?」 「俺が悪かった。やっと、宇佐木が言ってた言葉の意味が分かった」 「は?なんで宇佐木?」 いきなり宇佐木の名前が出てきたのも不思議だが、一体昂平は何に納得しているんだろう。ていうか、俺たちはハダカで何を言いあっているんだろう。いまいち甘い空気になれないのは、俺達が幼馴染だからだろうか。 「あっ!」 吐精して落ち着いていた性器を、ぎゅっと掴まれた。いきなりの刺激にびっくりして、思わず声が出た。 「な……何?」 「これからはもう、遠慮なんかしない」 「え?」 「もう黙れ、理音」 「なッ――ンンッ……」 無理矢理、キスで黙らされた。

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