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第122話

 俺達、ホントに今までお互い片想いしてたのがバカみたいじゃないか?昂平も同じことを思ったらしく、顔を見合わせて目が合った途端、二人同時に吹き出した。 「ぷっ」 「あははっ!」 「あはははは!!」  朝っぱらから近所迷惑だけど大声で笑い合って、再びベッドの上に乗ってきた昂平に抱きしめられて、俺も抱きしめ返して、幸せすぎる気持ちでベッド上を二人でごろごろした。  そして、ひとしきり笑ったあと。 「はー……、じゃあ改めてプロポーズしたことだし、お前の返事ももう一度聞かせてくれないか?理音」 「ええ?そんなのいいじゃん、5歳の俺が返事したじゃん」  何を言い出すんだこの馬鹿は。改めて返事とか、こっぱずかしすぎるし。  あれか、自分だけ恥ずかしいのはイヤなのか?カッコ悪いことに俺を巻き込むんじゃねーよ。 「ダメだ。俺も言ったんだからお前も言え」 「つーかおま、婚約指輪も何もなしで結婚しようとか言うなよ。しかも俺らまだ17だしな」 「あ」  普通結婚の申し込みなんてのは18過ぎてから言うモンだろ?よし、今度は俺が勝ったな!勝った……よな?何だよ、なんでお前そんな余裕な顔してんだよ?  昂平は、にやりとあまり見ない笑みを湛えながら言った。 「なあ、それを言うなら5歳の時の約束も無効になるんじゃないか?」 「!!ぐぅっ……!」  くそ、悔しいけどその通りだ…!!やっぱり口げんかは昂平が一枚上手なのかっ!?たまには俺だって昂平をかっこよく言い負かしたいのに。  昂平は、俺の目の前でパンっと手を合わせると、ぐっと頭を下げた。何で拝まれてんの?俺。 「頼む理音、部活中に思いだしてニヤニヤしたいから、言ってくれないか!?」 「……………」 こいつ……。

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