8 / 10

第8話

奥で放った。 吠えながら。 オメガも獣のように叫んだ。 ガクガクと腰を揺らしながら、一滴たりとも逃がさないように搾り取るその肉壁に憎悪しながら酔いしれた。 出しながらも貪るように動き続ける自分自身を嫌悪した。 そして、出したくらいでは収まらない自分の欲望に怯えた。 あまくて重くて、憎くくてたまらないその匂いに、狂わされてしまう。 まだたりない足りないそう叫んでしまう。 オメガのヒクヒクと痙攣し、余韻に酔いしれている姿が見えて、憎くて堪らなかった。 嫌悪した。 あまりに憎いので、その喜悦に歪んだ顔の口に、引き抜いた出したばかりのペニスをねじ込んだ。 苦しめる為だけにそうしたのに、気持ち良くて。 でも、そんなことしても、オメガは窒息しそうになりながらも感じているのがわかって。 ますます嫌いになった。 頭を掴んで喉奥へ突き立て、苦しめる。 なのに気持ち良くて。 「淫乱、汚い肉だ、お前は!!」 そう叫んだ。 でも、その汚いオメガで快楽を感じて止まらなくなっているのは自分であることに耐えられなかった 嫌だ。 こんなオメガなんか抱きたくない。 嫌だ。 そう叫びながら、今度はまた喉奥で放った。 嫌なのに良かった。 どうしようもない達成感がある。 コレハ俺ノダ 本能がそう告げる。 中に放って自分のモノにした。 だからこれは自分ほモノだと。 要らない!! こんな奴要らない!! そう叫びながら、今度は精液に噎せて苦しみでも、そんなことをされてもそれで射精しているオメガを裏返し、背中から貫いていた。 自分を迎え入れる穴は、自分の精液に濡れていて、熱くてキツくて、自分しか知らない。 それを喜ぶ、アルファである自分にゾッとした。 こんなオメガに喜ぶなんて。 でも。 まだ足りない。 足りない。 孕マセル 孕マセル 本能が命じる。 尻を抱えて、中を捏ねあげる。 ガツガツと腰を当て、穴の全ての場所を味わうように動き、鳥肌がたつほどにそれが気持ち良く、だから余計に嫌悪した。 オメガは凄かった。 想像していたモノとは比べモノにならなかった。 その中を動くことがこんなにも気持ちいいなんて。 絡みつく肉の。 欲しがられ搾り取られて。 もっと貫いて、もっと刺して、もっと突いて。 俺ノモノ 俺ノオメガ 本能が言う。 コレは自分のモノだと。 中に出して、孕ませるのだから、これは自分のオメガだと。 「違う違う、こんな奴要らない!!」 叫んだ。 彼が良かった。 愛しい彼。 一緒になることをずっと夢見て来た彼。 彼でなければ嫌だった。 でも。 激しすぎる快楽に逃げようとするオメガにのしかかり、手足も押さえつけて、動けなくして味わうその穴は、涎が零れるほど気持ちよかった。 美味くて美味くてたまらなかった。 同時に吐き気も止まらなかった。 許して むりぃ 泣くオメガに怒りを感じる。 なんてことをしたんだこの愚かで汚らしいオメガは、と憎くてたまらない だがその怒りも憎しみも欲望になり、それは蕩けるような快楽で。 またその中に放ってしまった。 ひぎぃぃ オメガが喉を逸らして叫び喜ぶ。 反り返るオメガの白い項が見えた。 俺ノダ 俺ノダ 本能が告げる。 アルファの本能がこの抱いて中に出したオメガの肉体を、他人に渡すな、と命ずる。 アルファは自分のオメガを他人になどわたさない。 それは本能だ。 アルファとオメガが遊びで付き合うことが出来るのは、発情期ではない時で、それでも一度抱いたオメガにはアルファはそれなりの執着を示すものなのだ。 アルファ同士の殺し合いはオメガを巡るモノが多く、なのでアルファもオメガも遊び相手はベータを選ぶことが多い。 オメガの発情に反応したアルファがオメガを抱いて、その中に射精などしたなら。 アルファがオメガに執着するのは当然だった。 俺ノオメガ 俺ノオメガ 誰ニモ渡サナイ オメガの項の白さに網膜が焼かれる。 コレを噛んで自分のモノにして、他のアルファから守らねばならない 子種をその胎に満たした、自分のオメガなのだ、コレは。 鋭い犬歯を剥き出しにして、オメガの中に射精しながら、その項を噛んだ。 肉にくい込む歯の感触は、オメガを自分のモノだけにするのは。 射精以上の気持ち良さだった。 血と肉の味を感じて、獣が吠えた。 腕の中のオメガが全身を強ばらせ、指先からつま先まで使って仰け反り、力尽きたように脱力した。 噛んだ血のにじむ歯形を舐めて満足した。 またそこを充たすために腰を揺すりながら。 オメガはヒクヒクとしていたが、反応は鈍い。 だが気にするつもりはなかった。 コレは。 自分のオメガだ。 その想いだけは明確だった だが、また激しく揺すり上げながら気付く。 コレは誰だ。 コレは誰だ。 自分は何をした。 コレは自分のオメガだが、コレは。 コレは。 コレ、は。 コレ。 彼じゃない!!!! 「嫌だ!!!嫌だ!!嫌だあ!!!!」 泣き叫んだ でも、身体の下にいるオメガを貪ることは止められない。 コレ、は。 彼じゃないけれど。 自分の。 オメガだ。 そう、した。 してしまった 悲鳴も涙も止まらなかった。 嫌悪で、吐いた。 でも、貪ることを止められなかった。 「何てことを!!何てことを!!」 憎しみを込めて叫びながら、オメガの頭を押さえつけて、壊すように腰をぶつける。 気を失っていたオメガが、意識を取り戻して、また気絶してを繰り返す。 だが。 オメガの身体がその苛烈さを受け止め、快楽にしているのはわかっていた。 「・・・ごめん・・な、さい」 オメガが掠れた声で言ったのが聞こえたような気がしたが、そんなのもうどうでも良かった。 もう何もかもが終わってしまっていた 夜間巡回の警備員が見つけ、連絡を受けた集まった何人もの人に取り押さえられ、オメガに緊急用の抑制剤が打たれるまで、オメガを犯し続けた 薬が効くまで、誰にも引き離すことを許さなかった。 何度も何度も中に放って。 アルファとして。 自分のオメガを犯した。 そう。 憎くてたまらない 自分のオメガだった それは彼ではなかった。 なかったのだ

ともだちにシェアしよう!