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第9話

彼とはそれから会ってない。 会えるはずもなかった。 オメガを警察に突き出すことも出来た。 これは立派な「強姦罪」だからだ。 計画的に発情してアルファに近付いた。 あってはならないことだ。 だが、多くのアルファがそうするように、警察に突き出すことはしなかった。 番にしてしまったのだ。 「自分のオメガ」を刑務所に送るなど出来ないからだ。 番にしたオメガにアルファは執着する。 それは自分のモノだからだ。 発情期が終わった数日後、引き合わされた。 自分のオメガに。 発情していなければ、オメガには嫌悪しかなかったが、これは自分のオメガということだけは認識した。 冷静に受け入れた。 有力な実家を持つことから、家同士の繋がりや互いの利益について家同士でも話し合いをし、それに立会いもした。 これは今後の自分のパワーゲームに有利に影響するのは確かだ。 アルファの人生に競走はつづく。 勝負を降りるわけにはいかないのだ。 オメガと二人住む部屋を用意し、二人で暮らすことになる。 オメガはずっと泣き続けていたが、そんなのはどうでも良かった。 望んだのはコイツだ。 それに。 これは自分のオメガだ。 他の誰も近付くことは許さない。 それは決めていた。 そして、一緒に暮らした夜から抱いたのだ。 発情期ではなかったが、もう気にすることはなかった。 オメガはアルファに抱かれるものだ。 だろ? 望んだのはコイツだ。 あの日から始めて顔を合わせて、一度も口をきかなかった。 互いに。 マンションに入った時もそうだ。 オメガは怯えながら後をついてきただけだ。 玄関に入った時に、オメガはとうとう耐えきれなくなったのか、すすり泣きながら口を開いた。 「ごめんなさい・・・ごめん・・・」 最後まで言わせなかった。 もうそんなもの意味がなかった。 彼にかけようとしてかけれなかった電話や、あの日から学校に来ない彼のこととか。 二人で語りあった将来の夢とか。 彼といれば幸せで無敵だったこととか。 全部消えた。 壊れた。 彼に言える言葉さえないのに。 「黙れ!!」 そう怒鳴った。 そして、玄関で犯した。 あの時とは違って、止めてくれ、と懇願したのはオメガの方だったが、オメガだって許さなかったのだ、許してやるつもりはなかった。 服を引き裂き、あの日のように肩に脚を担ぎあげて、そこを貫いた。 流石に自分のオメガだった。 番のアルファが触れば反応する。 準備もしてないのに、そこは悦んで自分のアルファを迎えいれた 熱くぬかるんで、吸い付くように自分のモノを包み込み扱いてくる。 突き上げた。 乱暴に揺さぶった。 襞をすりつぶし、捲りあげるほどに。 ひいん ひいっ 白目を剥いてオメガは悦び、それを教えるかのように自分のペニスから白濁を噴き出した。 最後はオメガのペニスは壊れたようになって、ひくつくだけになるのはもう知っていた。 強引に突き入れ引き抜く度に、快楽が沸き起こり叫んでしまう、 オメガはいい。 とにかく、この身体だけはいい。 自分のオメガはいい。 もうそれくらいしかなかった。 こんな快楽しか。 発情期じゃなくても、 そこは確かに気持ちは良かった。 「俺のオメガだろ。セックス以外は使いようがないがな。そうだな、子供は産ませてやる」 ひどいことを言った。 傷つけるために。 でも。 これはコイツが望んだことだとも思った。 許して とオメガは泣いた。 許さない、一生。 そう言った。 毎晩こうやって使ってやる、と。 中に欲しがるモノを与えてやりながら怒鳴った。 泣いてるオメガの身体を床の上で更に蹂躙した。 今度はゆっくりたのしんだ。 その身体のあちこちを貪った。 罵倒しながら、それでも、その身体は美味くて。 胸を齧り、ペニスをしゃぶった。 中はたまらなく熱くて、そこすら舐めた。 何をしたってオメガは穴を濡らして、ペニスから滴らせて、感じてた。 いれてやれば、際限なくイク身体はたしかに良かった。 使えば使うほど、自分のためのモノになっていくのがわかった。 彼を失った悲しみは。 確かにオメガを苛むことでいくらかは癒された。 笑った。 彼抜きで生きていくには、このオメガが必要なのだと理解して。 乾いた笑い声だった。 オメガなど。 アルファなど。 実に下らないと思った。 身体の下から、這い出て逃げようとするオメガを逃がさなかった。 オメガは泣いていて、哀れで、だからこそ、腹立たしく、許せなく、そうせずにはいられなかった。 「まだ足りない」 捕まえて、押さえつけ、オメガを深く貫いていく。 逃げようとしたはずなのに、オメガは身体をくねらせて、アルファの責めに感じていた。 泣きながらイク 自分のアルファはオメガにも美味い。 この身体だけは。 たまらなく良かった 憎くてたまらないのに。 これは自分のオメガだ。 そう番だった。 泣いたりはもうしなかった。

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