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#スイーツ男子の本音はショートケーキの様に誰からも愛されたい②

 「お、おらへん!俺ら今そんなんしとる場合ちゃうし」  『何だ、そうなんだ〜。てっきり恋してるのかと。でももしそうゆう人出来から絶対教えて!応援する!って、、僕じゃ何の役にも立たないけど』  恋愛話には興味あったけど明希の言う通り今の僕らには弊害にしかならない。ただでさえ遅れを取っている僕は映像の中だけで夢見るくらいがちょうどいいのかも。  「ええから早よ観るで。ほんで観たら勉強再開すんで!」  『わかりました〜スパルタ明希先生〜』  DVDをデッキに入れて再生をする。洋画のベタな恋愛モノで字幕を目で追いながらお菓子に手を伸ばす。  「おっ、これ多少は英語の勉強になるんちゃうか?今の何て言っとった?」  『もお〜いいから黙って観ててよー』  あまりこのジャンルの映画に興味がない明希は集中して観ている暖の横で合間に茶々を入れる。暖はケーキ柄のクッションを抱いて乙女の様に主人公の恋の行方に興味津々だ。  次第に映画が佳境に入り男女の中も深くなっていく。そして画面も少し暗く妖艶なムードになっていきキスから始まりベッドシーンになる。 しばらく膝を立て顎を膝に置いてつまらなそうな顔をして観ていていた明希も顔を上げた。  男女の絡みが始まって静かな部屋に吐息とそれに見合う音楽が流れて、部屋中は何とも言えない雰囲気が漂っている。二人ともじっと動かないで前を向いているが意外にも長いシーンで耐えられず先に声を出したのは明希だった。  「いやぁ、やっぱ外国のはすごいっちゅうか何ちゅうか、、なぁ暖!……はっ?まじか、、寝とるやん」  ぎこちなく横を向いてみると暖はクッションに頭をコツンと乗せて目を瞑っていた。明希はリモコンで停止ボタンを押して映像を止めると画面は真っ黒になって二人の姿が映った。  「何やねん、、俺一人テンパってもうてアホみたいやん……」  明希は暖の寝顔を見つめる。思えば授業中の居眠りは見た事あってもこんな風に気持ちよさそうに寝息を立ててる顔は初めて。  もうこの歳だし男同士で多少のエッチシーンくらいでこんなに騒ぐのも変だけど、この空間で暖と二人きりとなると言うのは明希にとっては意識せずにはいられなかった。  明希は全く起きる気配のない暖に近づいて今にも落としそうなクッションを外してカクンっと落ちそうな頭を支えて肩に乗せる。  「ほんま呑気なもんやな、、こっちの気も知らんと」  子どものように眠る暖の口に付いたクッキーの食べカスに気付いて、明希はフッと笑って覗きこみ指でサッとカスを払った。  それでも明希の手は唇に置いたまま動かそうとしない。何だかんだで暖のお世話をする事が楽しくて予備校の勉強だって苦ではない。それは明希が暖に抱いてる感情に気付いてる証拠でもある。  無防備な姿を隣で見せる暖に理性を保つにも限界がきていた。  そして明希の視線は唇に向けられ徐々に近づき手を頬に移動させると二人の距離はなくなっていく。

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