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#スイーツ男子の失恋はラムレーズンの熟した悲観と未来への調和⑪
大我の家でのお泊まりは経験あるが一人暮らしの家とは違って、家に恋人を呼ぶのに気が引ける実家暮らしの欠点。
たまたま家族が帰らない絶好のタイミングで都合は良かったが、泊まりが確定した瞬間なぜか暖は急に嬉しさと同じらい緊張感がじわじわと溢れてくる。
『良かった。じ、じゃぁ親の部屋から、ふ、布団持ってくるから待ってて。それとパジャマもいるよね!?それから、、』
「えっ何でベッドに一緒に寝ればいいんじゃない?」
『け、けど狭いしやっぱり布団をー…あっ!』
大我が布団をとりに行こうとする暖の腕を引っ張ってベッドに押し倒して上に跨がる。そう言えばこのシチュエーションは2度目だ。
初めて会った日この状態で"承認欲求のかたまり"と言われてズバリと言い当てられて腹が立って言い返した。お互いをまた何も知らないのに心の奥まで見透かされていた。
『ねぇ覚えてる?大我がこの部屋に来て初対面なのに僕の事を何て言ったか』
「うん、覚えてるよ。確か承認欲求が強くて秘めてる自分を出しきれてないとかって。今思えば初対面でそんな事言うの失礼だったよね、ごめん」
『ううん、違うんだ。あの時は否定したけど当たり過ぎてビックリして。誰にもそんなこと言われたことなくて、、と言うかー…』
「と言うか、何?」
『誰も僕なんかに興味なくて、あなたはこんな人だねって言われてるほど見てくれる人はいなかったから、、だから、、ありがとう』
顔の横長く伸びる大我の腕をギュッと握って少し照れ顔で言った。突然家に押し掛けて失礼な発言して偽の恋人の誘いなんてする奴に感謝の言葉が浮かぶ人間なんている?
「暖はやっぱり思った通りの子だね」
『えっ、何それ?』
「ホントはね、暖に責任取らせたくてこの家に来たわけじゃないよ」
考えてみれば大我の周りにはたくさんの友人や仲間がいて、言えば喜んで代わりに恋人役を担ってくれる人など山ほどいる。それなのになぜ手間をかけてまで会いに来たのだろうと今になって疑問が湧いてきた。
あの投稿で完全に被害者の大我に一度だって責められた事も怒られた事もない。あんな屈辱を味合わされた相手を恋人候補になんてまず考えないだろう。
「ホントはスイーツの投稿見てどんな人がこれを書いているのか興味が湧いてさ、会ってみたくなった」
『えっ、僕の投稿見て?』
「こんな投稿するの女の子だけと思っていたけどまさか男子だとは。だけど本当にスイーツへの愛が伝わって、何だか一緒に食事をしている様な気持ちになってね。俺は甘いモノは食べられないけど暖の投稿の中でお腹いっぱいに満たしてくれた」
『そうなの?、、嬉しいな』
「だから俺の方こそ、ありがとう」
二人の間にあった"偽"と言う壁が破られて好きの思いはどんなスイーツにだって勝る"愛"という砂糖に溶けて熱い抱擁に変わる。
『大我、僕ね今すごく幸せだよ。今まで甘いものを食べてる時以外でこんな感覚になった事ないんだ。不思議だね』
「俺も同じ、不思議な気分」
『やっぱり布団はいらない。このまま一緒に抱き合って眠りたいな』
「ふっ、それにそんな可愛い事言ってると襲いたくなっちゃうけどいいの?あっそれも新手の誘いの方?」
『ち、違うよ!そっ、そういう変な意味じゃなくて僕はただー…』
「冗談だよ、ごめん。焦らなくていいから、そうゆうのはちゃんと気持ちが整ってそうゆう思いになった時でいいの」
『……うん、少し待って欲しい』
前進むと決めた。自分の未来の事も大我との恋愛も。試練はきっと多いけど二人でなら乗り越えられる。そして愛する人とこの先も一緒にいられるように自分自信もっと強くなりたい。
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