頭を押さえつけられ、兄の昂りを喉奥まで捻りこまれているものだから、上手く息が出来ず、吐きそうになっていた。 けれども、そのような状態でも兄が赦してくれるはずがなく、葵人は強引に動かされているのを、必死になって口で慰めるしか他はなかった。 無慈悲に告げられた"償い"と共に、碧人がおもむろに袴を下ろし、着物の前を開いた先にあった、今は口に含まされているソレは、久しぶりに見たものの、興味が注がれるものではなかった。 ──のは、普段の、しかも、あのような態度でいる兄を見たから尚更であるが、下腹部の痛みと思考が少しずつ自分ではない感覚に陥っていき、意識が乗っ取られることに怯えながらも、その滾った杭を、ずっと疼いて仕方ないナカを壊してしまうぐらい掻き回して欲しいと思ってしまう。 今の、口に入れているかのように。 「……葵の、小さな口に……。……ふ……、一生懸命、慰め、よう……と、してるの……可愛い、ね……っ」 「う……っ、ふ、ん……っ、ふっ、んぅ……っ」 「苦しい……？ 苦しいよね……っ、けど、それが、葵の罪、だから。……何よりも…………そそられる……っ」 「……んッ！！」 ドクンっ、と碧人のが脈打った後。 その中で溜まっていた熱が、葵人の口の中、というよりも、喉奥へと直接注ぎ込まれる。 熱い。苦しい。でも、それが快感。……違う、怖い。 自分ではない自分との葛藤に苛まれながらも、「零さず飲むんだよ」と圧とも思える声に、えずきそうになりながらも何とかして飲み干した。 いつぶりか分からない喉を潤したとも思いたくない、兄から放たれた精が口内に広がり、ようやく解放されたのもあって、畳に手をつき、戻しそうな勢いで咳き込んでいた。 普段の自分は気持ち悪いと感じているのに、もう一人の自分は、未だにスイッチを入れられた状態のバイブが挿 (は) 入(い)っている後孔から、蜜がより溢れているぐらいに反応を示していた。 と、すると、しゃがんできた兄が素早い手つきで、葵人の顎を持ち、自分の方へ向かせた。 「ほら、葵。休んでいる暇なんかないよ。僕のを慰め終わったのだから、次にやるべきことは分かっているでしょ」 「……っ！」 掴む手が痛くて、顔を歪ませてしまったが、「早く」と表情代わりの威圧的な言葉に、竦ませた。 次にやるべきことって、何。……ううん、分かっているじゃないか。