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再びの夫婦─檻─ 8
言うことを聞いてくれない腕をどうにか動かし、同じく鉛のように重い足を開いて、白い着物の裾を捲った。
露わになるのは、兄の手によって戒められた、Tバック状の貞操帯。
ここを触れられると思うと、漏らしてしまったのではないかと思うぐらい、前も後ろも溢れていた。
熱い吐息を吐いた後、口を開いた。
「……ぼ、くの……っ!ヨダレ、を垂らし……、まくって、る……っ、だらし、ない、けつまんこ……を、壊れ、ちゃう、ぐらい……ぐちゃぐちゃに、孕ませて、くださいっ!!」
皮肉にも潤された兄の白い液の甲斐もあって、途切れ途切れながらも発した言葉に、碧人の頬を緩ませた顔が霞んでいった後。
理性が外れた。
「必死になってやらしい言葉を言うの、可愛い……」
顎に添えていた指を、喉元から顎にかけて沿うようになぞる。
それだけでも、背中がぞくぞくとした感覚がし、達してしまったかのような錯覚を覚える。
早く射精 したい。射精 してしまいたい。
熱のこもった息を吐き、潤んだ瞳で兄を見上げていた。
その先のことを期待して。
「今、バイブを挿 入れているところに、僕のコレが欲しいんだもんね?」
「欲しいッ! 欲しい、です!」
「ふふ、そっかぁ……。でも、貞操帯 を外したら、葵は勝手に射精 しちゃうからな…………」
「射精 さない! 兄さん、の許可なしに、射精 さないからっ!」
「本当に……?」
「ほんとっ! だから、早く、挿 入れて!」
早く、早くと、わざとらしく貞操帯に添えていた兄の手に擦りつけるように腰を振ると、「分かった」と言い、袂を手繰り寄せ、手に取った物を見せつけてきた。
それは、貞操帯に付いている南京錠の鍵だった。
それを南京錠に差し込む。
「言っておくけど、一滴でも射 精そうってものなら……分かってるよね?」
差し込んだまま問う兄の顔は、無に近い表情だった。
それでさえも、頬を緩んでしまいそうになるぐらい悦んでしまうのを抑えつつ、首を思いきり縦に振った。
そんな姿を見た碧人は、鍵を回した。
ガチャリ。
手応えのある音がした後、南京錠が外れる。
すぐに射 精せないのは残念であるが、我慢に我慢を重ねた後に射精 すのも、天に昇るぐらい気持ち良いことなのだ。
だから、兄がいいと言うまで我慢しなければ。
前と後ろを覆っていた部分が外されていく。
その拍子に先端から出ていた糸が引き、同時に、腰を浮かせていたものだから、後ろに挿入されていたバイブと蜜が零れ落ちた。
久々に触れる外気がこんなにも心地がいいなんて。
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