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再びの夫婦─檻─ 9

思わず、ぶるりと身体を震わせる。 ──が、その行為がいけなかったようだ。 限界まで勃っていた葵人のが、その拍子にヨダレを垂らすように溢れてしまったのだ。 それに気づいたのは、兄の小さな小さなため息だった。 あ、と小さく呟いた時にはとうに遅く、兄は覆っていた部分を八つ当たりをするように、その場に投げ捨てた。 「ねぇ、ついさっき言ったよね? 一滴でも射精()したらって」 冷たい表情で淡々と言われる。 呼吸が乱れていく。 それは怯えているからではない。"お仕置き"として、痛いことをすることに期待しているのだ。 そのことを兄も気づいているようだ。「……本当に、この時の葵は何しても悦ぶよね」と呆れた声を出しつつ、葵人の後ろに手を伸ばした。 と、すぐさま引っ込んだ手に持っていたのは、先ほど葵人のことを縛り付けていた縄であった。 ごくり、と唾を飲み込んだ。 「動かないように」と言った直後、こうなった原因の秘部の根元を少々きつめに縛り、さらに余った部分を添えていた両手をまとめて縛り上げた。 少し手を上げてみると、秘部の根元と連結している部分が短いらしく、ピンと張り、その瞬間、ずきりと痛んだ。 敏感な部分を縛られているのだ。少しでも上げると、連携して反応してしまうのだろう。 普段の自分、というよりも、兄に"遊び"という名の調教される前の自分であれば、痛くて痛くてたまらないが、いわゆる"発情期"である今の自分は、特にこの痛みが悦びに変わってしまう。 何度も引っ張りたりして、悦に入ろうとしていたところを、ぐいっと手を引っ張られる。 「あぁんッ」 突如としての痛覚、もとい、快感に、部屋に響くほどの嬌声を上げたが、それでも碧人は引っ張り続けるままだった。 限界まで引っ張られ、根元がズキズキと痛むが、気持ちよくてたまらない。 たまらず喘いでいると、碧人が自身の方へ引き寄せたその時、足の間に大きな熱を感じた。 それが碧人のモノだと理解した瞬間、蜜が溢れている(あな)にずぶずぶと、ゆっくりと侵入していく。 「……あぁ……っ、ふぁ、……んんぅ」 今までの無機質な玩具(バイブ)とは比べものにならない蠢く熱いモノ。 破瓜の儀式以来に感じる兄のモノに、嬉しくて自ら腰を動かして奥へと挿入()れようとした。 が、手を引っ張られたことでそれを制される。

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