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再びの夫婦─檻─ 17
指輪を撫でたかと思うと、口に寄せ、ちゅ、と口付ける。
途端、じんわりと甘い痺れがし、未だに冷めやらない熱を吐いた。
「僕にもはめて」と言って、ケースを差し出されると、その言葉通りに指輪を抜き取り、左手を取って、薬指にはめる。
「これでやっと、僕達は夫婦になったね」
ようやく聞けた兄の優しい声に、頬を緩めていた葵人の左手を、自身の左手と絡める。
「〜〜〜っ! 〜〜っ!!」
「ほら、檻の外にいる人が祝福の言葉をくれているよ」
右手で軽く乗せるように葵人の顎を持つと、正面にいる、眉を潜め、涙ぐんでいる碧衣が口を塞がれながらも、何かを言っているように叫んでいた。
兄に言われると、そういう風に見えなくなくもなくて、「そうだね」と握られていた手を握り返した。
その時、ずっと繋がれていたナカがきゅうっと締めていた。
「ふふ、嬉しくて締めちゃった?」
「……うん。これからのことを考えたら、とてもっ」
「やっと、僕の愛が分かってくれた? だったら、もっと愛を注いであげるね……っ」
両膝裏をそれぞれ持ったかと思うと、葵人のことを上下に揺すり始めた。
「あぁ、ふかっ! ふかぁい! んっ、あっ! きもち、よくて、おかし、くっ、なるっ! んっ!!」
「そんなにも、いい……っ? もっと、もっと、ココが壊れて、使いものに、ならない……ぐらい……っ、ヨくしてあげる……っ!」
「ん……っ!!」
ズンっ、ズンっと、思いきり叩きつけるように腰を落とされ、その度に息が詰まり、死ぬのではないかという恐怖に包まれた。
とは言えども、それを上回る興奮の波がやってくる。
気持ちよくて、たまらない。
もっと、もっと奥深く突き刺して欲しい。
「きゅうきゅうに、締めつけ、られると……射精 る……ッ!」
「いいよ、し、きゅう、に……ッ!!」
ズクンッと、腰が降ろされた刹那。
びゅるると、二度目の熱が放たれた。
「は、あぁ…………」
葵人のナカに挿入 っている碧人の陰部の先端が、子を宿す器官に届いているのを感じ、だらしなく開いた口から涎を垂らし、恍惚な表情を浮かべた。
そして、一滴足りとも零さぬように締めつけていた肛門が、碧人から搾り取ったと思い、緩めた瞬間、ふっと気も緩んだらしく、兄の胸に身体を預けた。
肩で息をする葵人の汗ばみ、顔についた髪を、碧人は撫でるように払った。
「お疲れ様……。僕の愛を一滴も残さずに受け止めてくれて、ありがとう」
「…………ん……」
「明日からも、子作りのために仲良くしようね」
返事をする気力がない。
それでも、兄は髪を優しく撫でてくれていることもあり、意識が揺らぎ始める。
遠くから、「"青い籠"に」という兄の声と、一際呻く愛しかった人の声が聞こえてきた。
さようなら。祝ってくれてありがとう、碧衣君。
ふっと、意識を手放した葵人の閉じた瞼からは、一筋の雫が流れた。
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