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理不尽な現実 1

重たい瞼を開ける。 まだはっきりとしない頭で、薄暗い部屋の天井に広がる太い木と木で組まれたものは何なのか、呆然としながらも考えた。 ああ、そうだ。あれは、座敷牢──。 はっきりとしてきた頭で、昨日のことを思い出され、そして、絶望を抱いた。 この中から、自分はもう一生出られないんだ、と。 「……っ、……い……っ!」 ひとまず起き上がろうとしたが、腰にまるで電流が走ったかのように激しい痛みがし、再び布団に突っ伏すこととなった。 口内を犯されたことは覚えている。その後、下腹部が痛んできたことから、例の"発情期"でもなったのだろう。それにしても、今まで以上に身体中が痛くて仕方ない。 無意識のうちに歯を食いしばるものだから、歯も痛くなってきたが、そこまで構っている暇はない。 とにかく、横になって安静していよう。 脂汗を滲ませながら、思うように動かない手でどうにか布団を掛け直した。 「おはよう、葵」 開閉する音が聞こえたのと同時に、幾分か柔らかい声音が聞こえてきて、身体中を強ばらせる。 そのほんの少しの動きでも、身体中に痛みが走り、小さく呻いた。 「まだ起きてないの……? ……まあ、数日間、僕と愛し合ったからね。仕方ないと言えば、仕方ないけど」 「…………」 と言って、葵人のすぐそばに座った気配を感じた。その後、顔を覗かれる。 「なんだ、起きていたんだ。起きていたのなら、真っ先に僕のことを迎えてよ」 「ご、ごめん、にい、さ──」 「その呼び方じゃないでしょ」 その瞬間、鼓動が、僅かながらに呼吸も早くなっていく。 "発情期" の自分が兄にどんな呼び方をしたのだろうか。 答えられず、少し身体を震わせていると、「そう、分かった」と頭を撫でてきた。 「……お仕置きだね」 待って、と答えるが前に、うつ伏せにさせられ、掴まれていた両手を背中に押し付けられる。 反射的に手を振り解こうと、もがこうとしたものの、そもそも身体がぴくりとも動かない上、そうしようとした時には、縄で両手ごと縛られていた。 「……や……っ、……んっ……」 「暴れているの……? だとしたら、さらにきついお仕置きになるけど?」 「や、やだ……っ、ごめ、ん、なさ……っ!」 「葵は痛ければ痛いほど、悦んでしまう、ご褒美になってしまうから、本当に困った子だけどね」

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