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理不尽な現実 2
そう言って、縄を持ったまま葵人を仰向けにさせ、兄と対面する形にさせられる。
その時、兄と目が合う。
よく見ていたはずの、穏やかな微笑み。
こうなる前は嬉しくてたまらなかったはずの表情が、今は背筋を凍らせるほどにおぞましく思ってしまった。
そんな兄が自然に開いてしまっていた葵人の足の間を、浴衣の裾を捲ったことに気づき、咄嗟に閉じようとしたものの、やはり、自分の足ではないかのように動かず、兄のされるがままになっていた。
そうして間もなく。足の間のが外気に晒される。
とはいえ、一番感じる熱が感じず、さらに、中心部が何かに覆われていることを兄の手が当たったことで、今さらながらに気づいた。
「一応、ココを貞操帯をしておいたけど、散々射精 したのだから、もう勝手に射精 さないよね?」
「……っ」
有無を言わせない圧に顔を強ばらせ、何も言えずにいる葵人の返事を聞かずに、袂から鍵を取り出し、開ける。
手応えのある音がしたのと共に、覆われていた物が外されていく。
途端にこもっていた熱が放出されていくような感覚を覚え、身震いをした。が、その動きでさえ、ビリビリと痛みが走った。
そんな葵人はよそに、あろうことか兄が葵人の根元を縄で縛り付けたのだ。
「な、なんで……っ!」
「なんで……? 何を言っているの。お仕置きなのだから、葵がそう言う筋合いはないよ」
「で、も……っ、んっ……!」
少し動かしても、連動していた根元が引っ張られる形となり、その敏感な部分にそうされているものだから、反応をしてしまう。
身体中のと同じく、痛くて仕方なくて涙が滲む。けれど、どこかこれがイイと思ってしまっている自分がいる。
「ほら、葵。自分で引っ張って」
「あぁッ!! やぁ!」
臀部で挟むような形となった縄のところを、兄が引っ張ったらしい、大した力を加えていないというのに、過剰に声を上げてしまう。
「気持ちいいでしょ、葵?」
「んんッ! あっんぅ!あっ、あっ! ああぁっ!!」
「気持ちよくないの、いいの、どっちなの……?」
「あんっ! あッ!! い、いい……っ! きもち、いい……っ!! んっ!」
曖昧であった『気持ちいい』が、強引に言わされたとはいえ、口にすると、そうだと確信し、「きもちいい」と息を切らせつつも、うわ言のようにぶつぶつと言っていた。
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