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理不尽な現実 7 ※生理描写

次に思うように動かない足をぴったりと閉じ、肛門に力を入れ、極力血が伝ってこないよう努めていた時、襟元を掴まれ、膝立ちをさせられる。 その時、眼前に見えたのは、兄の先端から零れる白い液と鮮血。 ナカを傷つけられたのかと一瞬思ったが、つい先程兄が呟いていた単語を思い出し、これは自分から出てきた血だと思い直し、こんなものを目と鼻の先で見たくなかったと、眉を下げてしまった。 そのような嫌悪感丸出しの葵人に、兄はこう言った。 「葵が汚したのだから、綺麗にして」 それはどうやって。 と、疑問を口にするが前に、後頭部を押さえつけられ、そのまま兄のを口に挿入()れられた。 「……!」 苦味と鉄錆が舌に伝わり、えずきそうになったが、それを赦されることはなく、「ほら、早く」と喉奥にまで押し込まれる。 早くしないと、兄がまたお仕置きを始めてしまう。これの日になってしまったから、安静にしていたいのに。 早くやらないと。 上手く息が出来ないながらも、突如として来てしまった質量に、舌を這わせて綺麗にしていく。 気持ち悪い。吐きそう。早く終わって。 涙を滲ませながら、唾液に混ざった白と赤の液を嚥下すると、解放された。 しかし、その拍子で栓をしていたものが抜かれたことにより、その反動で戻してしまった。 しまったと思った時には、戻し終わった後で、身体をがたがたと震わせる。 怒られる。せっかく綺麗にしたのに汚してしまったから、怒られる。 「……に、にい、さ……、ごめ、ん、なさ……──っ!!」 涙を流しながら顔を上げた時、腕の中に包まれた。 何が起きたのか、すぐに理解できず、頭が真っ白になっていると、頭を撫でられた。 「大丈夫だよ。よく頑張ったね」 ここに閉じ込められて以来の初めて聞いた、昔からよく聞いていた優しい声で言ってきた。 意味が分からない。 何が大丈夫? 何がよく頑張った? どうして、そのような言葉を掛けてくれるの。 素直に嬉しかったはずの言葉が、今の葵人にとっては困惑する要素の一つでしかなかった。 けれども、そんな葵人に気づくはずがなく、「生理になったから、安静にしようか」と言って、葵人を敷布団に横向きに寝かせた。 「色々と準備してくるから、大人しく待っているんだよ」 立ち上がりざまに頭を撫でながらそう言うと、汚してしまった掛け布団を持って、兄が座敷牢から出ていく音が聞こえた。

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