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理不尽な現実 8 ※生理描写
葵人は一人、取り残された牢の中で困惑を極めていた。
何故、急に人が変わったように優しく接したのか。
それは、生理が来たからなのか。
たしかにこうなる前の、今までも生理が来た間は、いつも以上に優しく接してくれた。
だが、あの時とは違って、兄以外の人と愛してしまった罪人である葵人に、そのような態度で示したことがなかったから、わけが分からなかったのだ。
夫婦の儀式をする以前がそれが顕著で、ようやく解放される前の状態の時は、きっと発情期が来ようか、意識のある生理中の時にだって、そのような言葉も掛けられたこともないし、そもそも兄が来たこともなかったから、タンポンに替えられることもなく、吸収する役目のないバイブでただ栓をしていただけだった。
男であるはずの自分が生理があることでさえ惨めなのに、さらに屈辱を遭わされた感覚だった。
だから、その時の大きな差に困惑が凄まじい。
「葵。待たせちゃってごめんね。寒くなかった? 今からタンポンを入れるからね」
扉が開かれる音と共に、やはり穏やかな口調で言葉を掛ける兄にピクっとさせた。
そこのことに気にもしてないらしい碧人がそばにやってきて、両手の縄を解いていく。
次に浴衣を脱がされ、温かいタオルで涙と戻したもので汚れた顔、汗ばんだ身体を拭かれていった。
その際に、兄と目が合い、泣きそうな表情をしてしまったのだが、反対に兄は微笑んで「お腹が痛い? 葵は特に重たいタイプだからね。特にお腹は温めておかないと」と、怒りの言葉を掛けられなかった。
そのことにホッとするよりも、これが終わったらまたお仕置きの日々が始まるのかもしれないと、疑心暗鬼に陥っている葵人とは裏腹に、根元の縄も解き、棒を抜かれたことで、そこに集中せざるを得なくなった。
先端から涎のように垂れている我慢汁。けれども、起きた時に兄が言っていたように、散々射精 されたらしく、勃つ気配がなかった。
だが、一番敏感な部分であるため、そこも丁寧にタオルで拭かれた際は、身体が反応してしまっていた。
「ぴくぴくしちゃって、可愛い……。また可愛がってあげてしまいたくなる」
膝上に乗せられたこともあって、わざとらしく耳元でそう囁かれ、背中が指で這わされたかのような感覚が駆け巡った。
常日頃無理やりされているのに、シたい気持ちが昂ってしまっている。
生理であるから、そういう気持ちになるらしいが、それでは基本的に常に発情しているウサギみたいで嫌気が差す。
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