31 / 122
理不尽な現実 14 ※大スカ
つい、と兄の方が目を逸らし、お手洗い場所に連れて行かれる。
数歩先であるのに、この沈黙が怖くて仕方ない。
腰を掛けても、地に足がつくほどの大きさの壺を、跨ぐような形で立たされる。
そして、やや臀部を突き出すような姿勢にさせられ、浴衣の裾を捲られる。
何も言われずにそうされるものだから、心の準備が全く出来ておらず、突然の晒された外気に、身体を震わせる。
「力抜いて」
ほぼ淡々とした口調にビクッとさせながらも、息を吐いて、力を抜くよう努めた。
と、その瞬間、後孔に挿入されていたタンポンが一気に引き抜かれる感覚があった。
「あっ、ん……っ」
その感覚が快感だと、身を震わせたその直後。
放屁音と共に、耳を塞ぎたくなるような固形物がぼとぼとと、壺の中へと落ちていく音が聞こえた。
「あ、あっ……ふ……」
出てしまった。恥ずかしい。
けれど、止めることは出来ず、出し尽くしていった。
「はぁ……は……ぁ……」
生理による腹痛はするものの、少しは和らいだような気がした。
「葵。そんなにも気持ち良かった……?」
「え…………? あ……ッ……!」
腹部辺りを支えられていた手を不意に、浴衣越しに勃っていた中心部の頭を触られ、声を上げてしまうが、それでも、兄の手は止まらない。
「あっ、はっ……や……っ、んっ、ん……ッ!」
達してしまいそう。
無意識に反り返り、そのされるがままにその時を待ったが、見計らったかのように手を止められてしまった。
面食らい、力が入っていた身体が抜け、壺の口に座る形となり、熱い息を吐いていた。
「な、……で……」
「葵。座っている場合じゃないでしょう。タンポン入れるから、お尻を上げて」
「……え……」
「早く」
さも何も無かったかのように促す兄に恐れ、震える足で壺の前に敷かれていたペットシーツの上で四つん這いになり、浴衣の裾を捲って、臀部を突き出した。
壺の蓋を閉める音がし、ポットのお湯で温められたティッシュで、後孔付近を丹念に拭いていく。
「ふっ、ふ……ん……」
それさえも、今の達しそうな葵人にとっては、快楽を得る要素の一つと成り果て、先端から蜜が溢れてきてしまい、ペットシーツを汚す。
そのことをさも気にしてない様子の兄は、「入れるから、力を抜いて」と言われ、そちらに集中する。
そして、タンポンを挿入した瞬間。
「う……〜〜っ!」
ビクビクッと、身体を震わせる。
が、何かが出た気配はなかった。
だから、すっきりした感覚はなく、熱が冷めきらないままだった。
タンポンが全て挿入 った感覚がしたのと同時に、葵人は横になって、へたりこんだ。
ともだちにシェアしよう!