自分の口内に流れてきた、水に混ざった薬と共に喉へと流し込んでいく。 予想だにしない行動に驚きもしたが、やりかねないと思ったりもしたものの、これで終わりだろうと高を括っていた。 が、さらに思考が追いつけない状況にさせられる。 無事とは程遠い、薬を飲む手伝いをし、水が飲みきり、そろそろ口から離してくれるかと思っていた時、兄の舌が葵人の上顎を這わせてくる。 それだけでも今は敏感となっている葵人にとっては、過剰に反応してしまい、身体を小刻みに震わせる。 「ん……っ、んん……んっ」 息が出来ない。苦しい。けど、それよりも気持ち良い。 軽く達したかのような感触がしたものの、それを確認する余裕をさせず、兄の舌が今度は葵人の舌に絡ませてくる。 いつもしてくる行為。普段であれば嫌で仕方ないものであるものが、今はもっとして欲しいと、碧人の首に腕を絡める。 「ふぅん……ん、は……っ、ふ……ん」 そうして、自らも舌を絡めていく。 「あ、……ん、ふっ、ん……っ、はぁ……」 兄がこころなしか嬉しそうに目を細めているように見えて、それが嬉しくて、さらに求めた。 「は……ぁ、ん……くっ、ふ……」 互いに求め合う激しく、やらしい水音。それが脳にまで響き、甘く溶かされてしまい、何も考えられなくなり、勃った葵人の先から、ダラダラと蜜が溢れ、浴衣にいやらしい染みを作る。 男のように反応を示しているココを、激しく扱いて欲しい。 だから、葵人はわざとらしく、だらしく開いた足を碧人の太ももに擦りつけた時。 「んッ！？」 浴衣ごと何かに包まれた感覚があった。それが兄の手だと分かったのは、頭を指先でぐりぐりと押しつけるように触り、竿を扱いてきたからだ。 「ふぁっ、ん、あっ、は……っ、んん……っ！ ……ぁ……」 上も下も責められ、舌を動かす余裕がなくなり、だが、動かせと言わんばかりに、兄の舌がさらに絡ませてくるものだから、必死の思いで舌を動かそうとする。 が、それを見計らったように下を、しかも、今度は直でまさぐり、舌を絡ませ合うという集中を途切れさせた。 「あ……っ、ふぅ……ん……っ、あ、ん……ぅ……！」 ああ……！ このままだと、イッ……！ ビクビクッと、身体が摩擦する……はずだった。 それなのに、一際大きな波が来たぐらいで下半身がすっきりした気がしなかった。 やはり、射精(だ)し切らされてしまったから、射精による快感は得られない。 けれども、まだ疼きが治まらない。