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理不尽な現実 18 ※自慰

兄の手で無理やり扱かれてから、二度寝て起きてを繰り返した後。 その日も生理による不調で寝込んでいた。 が、あんなにも痛めつけられたとしても、生理中は疼きが治まらないこともあり、だるさを覚えながらも、布団を剥いで、自らの手で慰め始めた。 朝食後、兄は「これから用事があるから、大人しくしているんだよ」と言い残して去っている。 何の用事か、いつ来るのかは安易に訊けないため、定かでないが、兄がいないこともあり、とにかくこの熱を冷ましたかった。 まだうっすらと痛みを覚えている中心部を、ゆっくりと扱く。 「ん、ん……は……ぁ……ふ……」 自分の吐く息に興奮しつつ、それに合わせて速度を速めていく。 「はっ、はぁ……ん……あ……っ」 痛い。けれど、この痛みを超えた先の快楽を得たいがために、堪えて激しく扱く。 「んっふ……っ、ふっ、ん、あっ、んんッ、あ……ぁっ!」 頭から涎が垂れてきている。腹の奥底からも、むずむずとしたものを感じる。 あぁ、この感じは……! あと、もう少しで……! 「イッ……ちゃ、あ……っ!」 腰を浮かせた瞬間、ピュっピュっと少量ながらも、やや透明の精液が噴き出した。 やっと射精()たぁ……っ。 喜びの眼差しで、汚れた手の中で萎れる自身のを見つめていた。 どんなに射精()し尽くされようが、女性特有の生理中であろうが、自分はやはり男なのだ。 この精液が誰かのナカに射精されずとも、己の自尊心のためにも、自分が男であるとそう思い続けたいから。 まだそうでありたいと思いたいがために、再び自慰行為をしようとしたが、急な眠気が襲ってきた。 それに抗おうとしたものの、勝てず、そのまま葵人は眠りについた。

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