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理不尽な現実 26

悦に浸りかける自分と葛藤をし、なるべく動かないようにしていて、どのぐらい経っただろうか。 碧人が葵人の小刻みに震えている秘部に、シャワーをかけてきたことにより、また達してしまった。 「そんなにも、葵は射精()したいわけ……?」 そう言いながら、指先で今にも爆発しそうな部分を突っつかれ、大きくびくつかせる。 「そんなに射精()したいのなら、射精()させてあげる。男であることを後悔するぐらいにね……」 「え、……あぁ……っ!」 碧人が後ろから葵人の片足ずつ膝裏を持ち、宙に浮いたと思った瞬間、突如として、菊門に大きな衝撃が食らった。 それが徐々に兄の熱だと分かったものの、葵人を上下に揺さぶり、深く突いてくるものだから、ただその快感に酔いしれた。 「あ"ぁ"!! ひっ、んっ! い、あっ! あっ、あっ! ひぃうっん!」 「ねぇ、葵……っ、締め、付けて……きて……っ、気持ち、いい……?」 「んぅっ! ふっ、あっ、あっ! んっ!」 気持ちいい。 自身の嬌声でかき消されそうな兄の言葉に、少しずつ理解し始める。 たしかに、普段の無理やりされている行為よりも気持ちよく感じる。どうして、いつものように無理やりされているというのに。射精()したい時に射精()させてもらっていないのに。 「んぅ、んっ、ふ……っ!」 「あぁ、葵……、射精()すよ……っ!」 ナカに挿入()れていた碧人のが脈打った直後、どくどくと奥深く種付けされていく。 その時になって、葵人の尿道に刺さっていた棒が抜かれており、ほぼ同時に外へと放たれていたことに気づき、そのようやっとの解放感と快感に、碧人のを思わず締め付けていた。 「……っ、きもち、いい……?」 「んぅ、きも、ち、い……」 「そう……やっぱり、剃毛すると感度が上がるんだ……」 「は……ぁ……てい、も……?」 「もっと、イキ狂って」 「っ!!」 夢心地になりかけていた葵人は、再開した律動に善がり狂った。 「やっ! やぁっ! いっ、たぁ! いっ!」 叫びに近い嬌声を風呂場に響かせながら、二度目の射精をした。 が、息を整える間もなく、また腰を激しく動かしたすぐ後に、精を放つ。 透明になりかけている精液は、さっきよりも勢いが増し、鏡に飛び散った。 まるで、自分の顔に自身の放った精で汚したようにも見える光景に、葵人は興奮してさらに顔を赤く染めた。 それから何度も何度も強制的に精を放つ行為をされながらも、「葵は本当に我慢が出来ない子だ」、「男じゃないのに、どうして精液が出るの……」と否定的な言葉を繰り返し言われ、いつしか葵人は、男である自分に嫌気が差し始めていた。 終わらない行為と聞くに耐えられない言葉を浴びせられながら、葵人は、底の見えない沼へと沈んでいった。

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