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改淫な贈り物 2

そのせいで大きく身体を震わせる。 「いつまでも、片方だけで不格好しょ……? 早く取って」 「んぅっ」 何度も何度も急かすように指で弾くものだから、その度に感じてしまう。 その際に下半身も反応してしまうのだから、嫌な気分も感じていたが。 それよりも、兄の言う通りに片方残されたこのピアスを取らないと、兄の機嫌は直らないし、ずっと感じ続けてしまう。 深く呼吸をしながら、震えてまともに動かない手を上げ、その時、兄の手が退いて、代わりに自分の手を近づける。 感じやすい部分を責められたからなのか、この間でもナカに碧人の挿入()れられているからなのか、まだ震えが止まらない指先のせいで、手元が狂ってしまい、ピアスが取れそうで取れなかった。 「取れそうにないの……? 僕が取ってあげようか」 「にい、さ……っ、……だ、大丈夫……。自分で取れるから」 先程述べていた通り、冗談抜きで兄ならば、無理やり引きちぎって取るつもりだ。 それはあまりにも痛いことであるから、やって欲しくない。 無言の圧に震えながらもどうにか平常心を保ち、球体部分を爪先で掴み、引っ張る。 「ん……っ、ふ……」 精一杯引っ張ってみてはいるものの、びくともせず、取れる気配はなく、焦りは募るばかり。 そうして、いつまでも取れないことに痺れを切らしたのか、碧人の手が伸びてきたのだ。 「や、やめ……っ!」 葵人の制止も虚しく、力の入ってない手をいとも簡単に退かすと、ピアスの両端を持って、前後に揺する。 「ふっんっ!? んっ、んぅっ! んぅ、あ、あっ、あっんぅ!」 強い刺激に耐えられるはずがなく、肛門を締め付け、背中が大きく仰け反る。 達してしまったような感覚。 何度か、ビクビクと身体が大きく震わすと、糸が切れた操り人形のように、ふっと力が抜け、兄に身を預ける。 すっかり荒くなった息を整え、虚空を見見つめていた。 「あの時はちゃんと、自分で取れたはずなのに、取らないのは、何? わざと?」 「……っ!」 怒っているように聞こえる声に、葵人は大きく体を震わせる。 「結局は、あの男のことを忘れたくないから、取りたくなかったわけ……?」 「お、と……こ……?」 誰のこと。 そう問おうとした時、頭の中でぼんやりと誰かの顔が浮かんだ。 すりガラス越しに見るようなその姿に、少しずつ何かを思い出していきそうだった。

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