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改淫な贈り物 13 ※強制オナニー
その辺りに散らかっていたゴミを捨てるような、なんてことのない言い方をする碧人に、これ以上にないほど戦慄する。
時折、碧人が言っていた「アイツ」は碧衣のことで、今までの葵人の行ないの八つ当たりを碧衣がされてきて、葵人がきちんと兄の言うことを聞いていれば、碧衣がこのような姿にも、精神を崩壊させることもなくて。
「葵。そういえば、お仕置きはまだだったね」
気づけば泣き出していた葵人に、その涙を舌で舐めとってきた碧人が言ってきたこともあり、一瞬涙が止まる。
「貞操帯を外してあげるから、自分で慰めて、その写真に向かって射精 して」
「……え、だって、僕は男じゃ……」
「久しぶりに射精 せて、嬉しくないの?」
「……う、嬉しい……です……」
「そうだよね。じゃあ、射精 して」
怒っている気配もない、優しい笑みを向ける兄に、葵人は混乱を極めた。
あの時、自分は女の子であるから、もう男の器官は必要ないと言われ続けていたのに。
今だけは、男なの?
不自由な手で起き上がり、兄に背を向けた葵人は、改めてあの写真を見つめる。
何十枚のもある、痛ましい姿の写真。その上に、自分の精液を掛けるだなんて、さらに碧衣を傷つけているようで、たまらなく心が痛む。
だが、"お仕置き"なのだから、その言葉に従って射精 さないと。
見るからに震えている手を、久しぶりに外気に触れる秘部を持ち、扱く。
「ふ、……んっ、あ、んっ、ふぁ……」
今まであれば、自身の女性のような甲高い声に刺激されて、秘部も反応をしてくれていた。しかし、心境が原因で、する気にならない気持ちが強く、どんなに痛めつけるように扱いても、一向に反応を示さない。
ここで勃たないと、兄にまだ碧衣に気でもあるのかと誤解されてしまう。
早く……、早く……っ!
──そこで、後ろから扱いていた手を掴んできた。
「葵。どうして勃たないの……?」
「わ、分からない……分からない……っ!」
「まだ、これのことを好きでいたの。あの儀式の時で言ったことは、嘘?」
「違うっ! 違うのッ!」
首を思いきり横に振って、兄が掴んでいるのを気にせず、一心不乱となって手を動かすが、やはりぴくりとも動かない。
「どうしてッ!どうして……──あうっ!」
葵人の手ごと強く掴んでくる碧人の手によって、ビクッと身体が大きく反応する。その刹那。
秘部が少しだけ反応を示した。
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