「は、はん、のうっ、したぁ……っ！ は、はぁ……っ」 「僕が触ったことで、反応するのは嬉しい……。けど、これじゃあ、お仕置きじゃないから、ちゃんと自分でシて」 「や……っ」 涙が溢れさせ、首を緩く横に振る。 碧衣のことをこれ以上汚したくない。だけど、しなければ兄に怒られる。けど、自分の今の気持ちじゃ、射精(だ)せない。 けど、けど、けど……っ！ 「仕方ないな」 掴んだまま静かに泣き出す葵人の背後で、ため息を吐いた碧人に肩が飛び上がる。 心底呆れている声音。この感じは。 今度は恐怖が勝り、涙を流していると、兄が耳元に唇を寄せる。 「……葵は、どう気持ちよくなるのが、好きなのかな？」 耳朶が震わせるほどに、ふんわりと包み込むような優しい声に、簡単に恐怖心が薄れ、じんわりと甘く痺れていく。 それが結果として、中心部が徐々に張り詰めていくのを感じた。 「あぁ……、大きく、なってる……っ！」 「僕の声で反応を示すだなんて、やっぱり僕のこと好きなの……？」 「う、うん……っ、すきっ。すき、ふ……んっ、だからぁ、みてて……っ！」 「見てるから、やってみせて……？」 「うん……っ！」 久しぶりの感覚と兄が見ていることに嬉しくなり、扱いていた手を速めていく。 勃ちあがっていくうちに、たらたらと、我慢汁が垂れていき、興奮が最高潮になっていく。 「はぁ……！ イクっ！ イッちゃうっ！」 「……射精(だ)していいよ」 「ふ……っん……っ！」 ぶるり、と身体が震えた後。 とぷとぷ、と濃厚な白濁した液が亀頭から零れ、ぽたりぽたりと、写真に落ちていく。 「で、でたぁ…………」 汚してしまった。 深い息を吐きながら、半ば正気を取り戻した頭でそう思うと、自身から吐き出した精を見つめていくうちに、目から雫から落ちていった。 ようやく射精(だ)せても、嬉しくない。