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育み 10 ※搾乳器

身を捩っていたが、止まってしまった。 碧人の言う通り、二人にやっても、今のように、浴衣に染みてしまうほどに常に溢れてしまっていた。 それこそ不愉快に思っていたが、どうにもならず放置していたのだが、今日も碧人が吸うというのか。 途端、あの日のことを思い出してしまい、下腹部が疼いてしまうのを感じながら、気づかないフリをしていた。 「僕がどうにかしてあげるから、大人しく脱ごうね」 まるで、小さな子供に言い聞かせる口ぶりで、気が緩んだ隙を狙って浴衣を脱がされた。 着物を着せられてから、下着を身に着けさせてもらえないため、浴衣を脱がされてしまうと、すぐさま裸体が露わとなり、さらに朱に染まる。 「葵、何今さら恥ずかしがっているの。けど、いつまでも初々しくて、可愛いのだけど」 「……だって、こんな胸だし、母乳がだらしなく溢れているし……僕、男なのに──」 「葵は、女性なのだから普通なことだよ。気落ちしないで。今、搾乳器で搾ってあげるから」 さらっと、当たり前に言うものだから、耳を疑ってしまった。 前に思っていた疑問はこの際置いておくが、搾乳器って? そういえば、碧人に母乳を吸われた際にもそのようなことを言っていたような気がする。 と、左手を胸に添えられ、右手に持っていた物によって、そちらに意識を向けることとなった。 上部分には、ハンドルらしきものに、その先にはラッパのように大きく開いた、透明な円錐形に、下部分は哺乳瓶が付いていた。 「碧人さん、それ何?」 「搾乳器だよ。牛が機械で乳を搾られていくのを見たことがあるでしょう? それと同じで、いっぱい出てしまう母乳を搾っていくんだよ。保存が出来るから、新と真にもあげられるし」 小学生の頃であったか、父と共に牧場に行ったことがあった。その時に、碧人が言っていたようなことを、見ていた記憶を思い出す。 牛が気持ち良さげとも、痛そうにも、そんな鳴き声を上げていたことも。 「このカップを乳首に当ててハンドルを動かすと、搾れる仕組みなんだ」 じゃあ、やってあげるからねと言って、透明なカップを乳首に宛てがう。 説明されても、どことなく怖いと思ってしまうのは、牛のこともあるが、何よりも、今までの碧人が道具を使っての責めがあるからだ。 どんなに痛いと泣き叫んでも、気を失うまでされ続けたりしていた。 しかし、それを越えた後の至福ともいえる気持ちよさが浮上してしまう。

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