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11 ※碧人×葵人

「桜が散ったぐらいだから、今の季節は面白くないかもしれないけど。……だけど、葵には関係ないかもね」 「う……っ」 手を頭上よりも高く上げられ、思わず呻いてしまった葵人のことを気にしていないらしい、そのまま梁に結びつけてあった縄に繋がれ、碧人から手を離れても、両手を上げられたままの状態にさせられる。 「どう? 久しぶりに僕に縛られるのは。痛くて……気持ちいいでしょう?」 「……や……めて……」 帯を解きながら訊いてくる碧人に、悲痛な声を上げるが、実際にはか細い声で、しかし、そうであろうがなかろうが、碧人の耳には届かないだろう。 「……僕は、ようやく葵人のことを縛られて……独り占めに出来て、嬉しく思うよ」 帯を取られ、はだけた肌にゆっくりと滑らせるように触ってくる碧人に、腰辺りがぞわっとした感覚が起こりながらも、碧人の言葉に耳を疑った。 「……碧人さんは、あの子達のことを愛していなかったの……」 「葵から産まれた子達だから、愛していたよ。けど、やっぱり僕には、葵しか愛せないと改めて思ってね。だから、こうやって証明しようと思ったのだけど、葵はまだ、あの二人のことしか頭にないから、(ばつ)を与えて、僕しか考えられないようにしようかなって」 首筋を辿り、頬を包み込んで、ふわっと笑う碧人に心底ゾッとした。 あれほど、自分には母親らしく子ども達を愛せと言ってきたのに、自分は結局は葵人しか愛せないと言う。 思い返せば、日を追うごとに碧人の姿は見かけなくなっていた。 それは、碧人自身が何かに忙しいから、なかなか会いに行けなかったのだろうと思っていたし、こっちはこっちで育児に忙しかったから、そんなこと考えている余裕はなかった。 だけど、その理由が自分のせいでもあっただなんて。 前々から碧人の考えていることは分からなかった。が、今回でますます分からなくなり、さらに恐怖を覚える。 碧人のことが、怖い。 「さ、葵。お仕置きをしよう」 「……や……っ!」 短い悲鳴も虚しく、先ほど幸成によって扱かれた秘部を不意に掴まれ、ビクッと身体が反応したのも束の間、親指で潰れてしまうんじゃないかと思うぐらいに、グリグリと触ってくる。 「あぁっ! あっ! あっんっ! あぁぁ!!」 さっきよりも強い痛みに敏感な部分も相まって、拒む言葉も隙に与えず、檻の外まで聞こえるぐらいの、叫びに似た喘ぎ声を上げてしまい、恥ずかしくて、唇を噛み締めようとしたが、茎をぎゅうっと握られ、声を漏らすこととなった。

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