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耐えきれない哀惜、檻猿籠鳥の矢先に 17

※葵人×新 「しっ」と静止を促す声が聞こえた後、膝をついた碧人に両手を掬われた。 「葵。今からすることは、自身がお腹を痛めてまで産んだ我が子を、この手で大人にさせるものなんだ」 「……わ、……が……」 「代々母親がしてきた、成熟するまで無事に生きてこられたことを共に祝う儀式なんだよ」 脳裏で、しなやかな手にべったりと付いた白濁とした液を、舌先で舐めとる女性らしい人物が浮かんだ。 その恍惚な表情をしてこちらを見やる艶かしい光景に、自分がしたことなのだと思い込み、そうと思うと、客観的に見ている自分のことを頬を紅潮させるくらいに、──下がずくずくと疼いてしまった。 「お母さま……? お父さま、本当にこの方はお母さまなの……?」 「そうだよ。心の病で会わせることが出来なかったのだけど、新がココがむずむずするって言ったから、お母さまの手で治してもらうのと、それを機会に会わせてあげようと思って」 「……ぁ……っ」 新。 聞き覚えのある単語。 「……あ……ら、ぁ……」 新。 酷く懐かしく思える単語。 「……あ、あ、らぁ……」 それなのに、上手く舌が回らず、言葉にならない。 「お父さまっ、お母さまの様子が!」 「たまに怖いことを思い出して、それを伝えようとするのだけど、怖くて上手く言葉にならないんだよ。……どっちにしろ、早く儀式をやらないと」 「裾を捲って、お母さまに大事な所を見せてあげて」と言う碧人が不意に、震えながら涙する葵人の耳元に口を寄せた。 「……さ、葵。愛おしかった新の大事な所を慰めてあげて」 「あ……っ」 葵人の両手を、震えて縮こまっている小さな秘部に添える。 それが手に触れた途端、タガが外れたかのように口に含み、貪る。 「お、母さ……っ!」 舌先でちろちろと舐め、それから飴玉を転がすように舐める。 「ん、んっ! やだ! そんなところ、汚いよっ! やだぁっ!」 「新。さっきも言ったでしょう。大人になるため、そして、将来のお嫁さんとなる子に教えるためだって」 「けど……っ! 変な感じがするのっ! やだやだあ!」 頭上から泣き叫ぶ声が聞こえる。 もう育てる必要がないと、小さな子ども達を引き離される光景がちらつく。 男二人に、自分が愛しに愛した子ども達を無理やり取られて、どんなに懇願しても聞き入れてくれなかった。 今もまだ泣いているのかな。

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