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耐えきれない哀惜、檻猿籠鳥の矢先に 18
※葵人×新
「……っ?」
「葵……?」
どうしたのかと問いかけるような声がするが、葵人の耳には一切入ってこない。
新。真。あなた達の成長を見守ることが出来なくて、ごめんなさい。
「……っ……ふ、ぅ……っ」
「お、母さま……?」
「…………」
新のを口に咥えながら嗚咽を漏らす葵人に、心配にも困惑している声を掛ける。
無事に健やかに育つことを祈ることしか出来ないこの母を、赦さないで。
碧人が何かを言おうとするが前に、また急に心を置いていってしまった葵人は、口の中で大きくなり始めている可愛らしい陰部を吸い上げる。
「な、にっ! あっ!!」
悲鳴じみた声を上げる新が、小刻みに震えているのを感じる。
悦んでいる。
喜びに満ち溢れた葵人は、頭を前後に動かす。
「やだ! 無理!」と否定的な言葉を口にするのとは反対に、口に入れたモノが大きくなる。
完勃ちしても可愛いもので、碧人の質量より一回り小さく、それが愛おしく感じて、もっと味わいたいと根元まで口に含む。
「あ……っ! なに、か……っ、変な感じ、が……あぁっ!」
一段と大きな声を上げた直後。
葵人の口の中にあった新のから、ぴゅうっと熱いものが放たれた。
生命を感じる温かいもの。
うっとりとした葵人が飲み干そうと喉を動かした時、第三者によって口から離されてしまった。
「葵。大人になった証を新に見せてあげて」
残念がっていると碧人からそのようなことを言われ、半ば強引に口を開かされる。
葵人の口内は、粘膜と共に白濁とした液にまみれていた。
「お、父さま……、ぼく……っ」
「むずむずはなくなったでしょう? これは精液と言ってね、赤ちゃんを作るための種になるんだよ。これで、新は大人に近づいたね」
「……病気なんかじゃなかったの……?」
「そうだよ。むしろ、この家の後継ぎの役目を担える、喜ばしいだよ。後でお祝いしようね。……真と共にね」
ぴくっと、身体が反応する。
真。
「……ま……と……」
「お母さま、また怖いことを思い出しちゃったの……?」
「そうみたいだ。新、お父さまがお母さまのことを慰めてあげるから、新は、真の方へ行って、さっきのことを教えてあげなさい。真もむず痒がっていたから」
「……うん」
「いい子。……新に真がいる部屋まで案内して」
新に話しかけた優しい口調とは違う、無機質な口調で言うと、「新様、案内させていただきます」と男の声が聞こえた。
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