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愛撫 1
「なんでそんな変なことするの?」
彼は言う。
「好きだから」
少年は言う。
「でも、変な感じになる・・・」
彼は顔を赤らめる。
彼は少年より小さい。
同じ年なのに。
いや、少年が大きいのだ。
彼も他の子達も同じ身長なのに、少年だけが頭一つ大きい。
これはおかしなことなのだ。
少年は彼の乳首を舐めていた。
彼の身体には、マザーのような淫らさはその身体にはない。
まだまだ未熟で幼い身体だ。
でも、少年が何度も何度も吸ううちに、彼は吐息のようなモノを漏らす。
「変・・・な気分」
彼は泣きそうになる。
また未熟な前にも少年は触れてやる。
胸を吸い、前を扱けば彼は泣き声をあげた。
「・・・ヤダ・・・怖い」
髪を撫でて怖がる彼を宥める。
「声出したらダメ、マザーが来ちゃう」
少年は言う。
「もう・・・やめてよ」
彼は泣く。
その唇にキスをする。
彼はキスは好きだ。
ちょっと落ち着いた。
少年はため息をつく。
まだ無理みたい。
でも、胸をもう一度吸った。
「ふうっ」
彼は喘いだ。
「気持ちいいでしょ?」
少年は笑った。
「・・・分かんない」
彼は顔を赤らめた。
少年は彼の後ろの穴にも触れる。
「またヘンなとこ触る・・・」
彼は身をよじって嫌がる。
少年はため息をつく。
何故か少年だけが生長が早い。
彼も他の子もまだ精通を迎えていないのだ。
でも、気持ち良くなれるはずなのに・・・精通が来る前から自分の身体を探求してきた少年とは違い、彼はそういうのが好きじゃない。
でも・・・それでは。
少年はため息をつく。
彼のそんなところが好きでもあるのだけど。
「僕の触って」
少年は彼にねだる。
彼はもう手慣れた仕草で少年のモノを扱く。
二人は灯りの消えた部屋のベッドの中で抱き合っていた。
ベッドと服をしまう棚だけの狭い部屋。
でも、2つのベッドをくっつければ抱きあい眠れる。
少年にはそれだけで充分だった。
「君の大きい・・・僕らのと違う」
彼は言う。
彼は愛しげにしごいてくれる。
「気持ちいい?」
彼は尋ねてくる。
「最高・・・大好き、・・・可愛い」
少年は喘ぐ。
彼の頬を愛しげに撫でる。
「同じ顔なのに・・・」
彼が笑った。
「同じ顔でも君のが可愛い」
少年は真剣に言った。
「・・・出そう」
少年は喘いだ。
「・・・ん」
彼が布団の中に潜り、少年のモノを咥えてくれた。
「好き、大好き」
少年は彼の髪を撫でながら言った。
そして、彼の口の中に出した。
彼はいつでも・・・飲んでくれる。
布団から出てきて、顔をしかめる彼に、少年はベッドの横の水差しから、カップにを注ぎ渡した。
少年は水を飲み干した。
「気持ち良かった?」
彼が聞く。
「最高」
少年は言う。
二人は抱き合って眠る。
少年も彼も・・・同じ顔をしていた。
右隣りのへや二人も。
向の部屋の二人も。
左隣りの部屋の二人も。
いや、この建物にいる12人が同じ顔をしていた。
そして・・・彼らの世話をしてくれる「マザー」も、彼らに良く似ていていた。
なぜなら彼らは全員同じ遺伝子を持つ人間だから。
彼らはこの「工場」で作られた製品だからだ。
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