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愛撫 3
マザーもここで生まれた。
ここのラボでクローン処理した授精卵を代理母に託し、生まれた子供をこの工場で育てている。
10年に一度のサイクルで12人がこの工場で作られている。
別の棟にはまだ赤ん坊でしかない12人がいるはずだ。
12才を過ぎた頃、本当の訓練が始まり、子供達はラボを後にする。
そして15才から、仕事を開始する。
そして大体30手前で引退する。
その後はどうなるのか。
マザーのように子供達の面倒を見るモノもいるし、
「みんな好きなことをしてるよ」
マザーはそう言って笑った。
「マザーは何故ここに?」
小さい時そう聞いたことがある。
少年なら、小さい子供の面倒などゴメンだったからだ。
マザーは言った。
「ここで育った。ここに帰りたかったんだ」
それはそうかも知れない。
幼い日の少年は思った。
でも、今は思う。
マザーはここに帰る必要があったのだと。
そしてここで何かしようとしている、と。
わかる。
何故ならマザーは少年でもあるからだ。
男達にその身体を与えながら何かをしようとしている。
マザーにはここでしたいことがあるのだ。
マザーは奴らの前でバカのフリをしているが、マザーはバカなどではない。
マザーには奴らを何かに使う必要があるのだ。
少年は確信していた。
少年はセックスドールの仕事なんかしたくなかった。
マザーが男達相手にしていることをするのだと思ったらやる気などでない。
偉い人たちとするのだとしても・・・やることは変わらないだろう。
挿れられて、喘ぐのは・・・嫌だった。
挿れることもあるらしいし、女の人とすることもあるらしい。
でも、そんなのもどうでも良かった。
少年が切望しているのは、彼の中に入ることだけだった。
毎夜、抱きしめて寝ている彼に、入りたかった
そこで彼を感じたかった。
奴らとしているマザーをこっそり見ながら、マザーに彼を重ね、自分のモノを扱いていた。
どちらかと言えばキツい性格の自分達の中で、何故か彼はおっとりしていて、
頭の回転も能力も高いはずの自分達の中で、イマイチ要領の悪い彼を、
自分達とは違うからこそ、少年は深く愛していた。
性に貪欲で、傲慢で、欲しいものを手に入れたがる性質の自分達とは違い、控え目で優しくて怖がりな彼を子供の頃から愛していた。
少年は、自分一人が成長が早かったし、他の仲間のようには自分の未来を受け入れられなかった。
もっと好き勝手したかったから。
誰の言いなりにもなりたくなかったから。
そんな自分が異質だと気付いていた。
彼も一人だけ性質か異なり、そしてまた性的なものへの恐怖から未来を受け入れない。
彼ら二人は仲間の中でも異質で、だからこそ幼い日から寄り添いながら生きていた。
だからずっと耐えていた。
彼が嫌だと泣くから、優しいキスと軽い愛撫だけで。
相手が彼でなけらば絶対にしない我慢をして。
彼もそれがわかっているからこそ、彼のを手でして、飲むと言うことで精一杯応えてくれているのもわかっていたのだけど。
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