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愛撫 6
その目は信じていた者に裏切られた目だった。
「・・・君も僕を人形あつかいするの」
彼は絶望したように呟いた。
少年はさらに凍りついた。
「僕は人形じゃない・・・」
彼は小さく呟き、足元に押しやられていた布団をかぶり、裸の身体を隠した。
そして、その彼の潜った布団が小さく震えているのを見て少年は自分が取り返しのつかないことをしたのだと悟った。
自分の快楽のために・・・彼を使ったのだ。
意志も、快楽もない行為を彼に強いたのだ。
それは、この先少年達に客達が行うことで・・・。
少年と彼の間ではあってはならないことだったのだ。
違う。
違う。
欲しいのは快楽じゃない。
彼の肉体だけじゃない。
彼なのに。
何一つ自由のないこの場所で、唯一自由な心で求めた相手を、欲望のために使用した。
「ゴメン・・・ゴメン・・・ごめんなさい・・・許して、お願い」
気位の高い少年が布団のうえから彼にすがりついた。
誰にも謝ったことなどない少年が、泣きながら謝った。
「・・・お願い・・・もう、今日はさわらないで」
彼の声は小さくて震えていて。
少年は物心ついて以来初めて、彼と抱き合わず、ベッドの端で泣きながら眠った。
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